1分でわかるIT用語集

Cookie

Cookieとは、ユーザーがWebサイトを訪問した際にパソコンやスマートフォンに付与されるテキストファイルのこと。このファイルには、ユーザーがWebサイト内で入力したユーザー名やパスワード、メールアドレスなどが一時的に保存されている。このため、ユーザーが次に同じWebサイトを訪問したとき、情報を再入力することなくサービスが利用できる。また、Webサイトの運営側もユーザーの情報や履歴をもとに、それぞれに合わせた情報を提供できる。

Cookieには「ファーストパーティーCookie(1st Party Cookie)」「セカンドパーティーCookie(2nd Party Cookie)」「サードパーティーCookie(3rd Party Cookie)」の3種類がある。

ファーストパーティーCookie:ユーザーが訪問したWebサイトのドメインが発行するCookieのこと。ログイン状態や入力した情報を保持するなど、ユーザーの利便性向上の目的で使用される。
セカンドパーティーCookie:他社が保有するWebサイトで発行されたファーストパーティーCookieのこと。
サードパーティーCookie:第三者(広告配信事業者)のドメインが発行するCookieのこと。特定のWebサイトに限らず、横断的にCookieを付与できる。広告配信に活用されるため、CookieといえばサードパーティーCookieを指す場合が多い。

従来Cookieは本人の同意なしに第三者に提供され、ユーザーの行動を追跡し分析することで、広告配信を中心としたデジタルマーケティングに広く活用されてきた。Cookieの目的はユーザーの識別であり、それ自体は有害なものではないが、現在では個人情報保護の観点から問題視されている。また、Webサイトへのサイバー攻撃にCookieが利用される危険性もあり、世界各国でCookie規制が推進されている。

日本でも2022年4月に改正個人情報保護法が施行され、Cookieで収集した個人情報などを第三者に提供し、紐づける際は本人の同意が必要になった。SafariとFirefoxなどのブラウザではCookieの規制が先行しているが、いまだ多くの企業が対応に着手できていない。24年4月、GoogleはChromeでのサードパーティーCookie段階的廃止の延期(3度目)を発表した。「業界内での準備がまだ十分ではない」ことが理由とされている。

とはいえ、いずれサードパーティーCookieは完全廃止へと向かう。今後は「Cookieレス」時代に合わせたマーケティング施策が必要となるだろう。
(青木逸美)