筆者プロフィール:ジャイアン鈴木
EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。
2017/02/17
在宅勤務で家中どこでも安定した速度で利用できるようにWi-Fiネットワーク環境を構築するのは難しい。大容量データのダウンロードが遅々として進まないときに、無線LANルーターの近くに移動した経験がある人も多いことだろう。今回はそんな悩みを解消するネットワークシステムをご紹介する。
文/ジャイアン鈴木
在宅勤務するとき、必ずしも書斎など1つの部屋にこもって作業するわけではない。ノートPCなら場合によって色々な部屋を使うはずだ。そんなとき、無線LANルーターから離れていたり、その間に厚い遮蔽物があると、無線LANルーターの電波は弱くなり、それに伴って通信速度は大幅に低下する。このような状況を解決するために各社から発売されているのが「無線LAN中継器」だが、実は運用が意外と難しい。
運用上最も大きな問題になるのが、複数の接続先(SSID)を管理しなければならないこと。無線LANルーターと無線LAN中継器はそれぞれ異なる接続先(SSID)を持っていることがある。たとえば1階に無線LANルーター、2階に無線LAN中継器を設置している場合、1階で使っていたノートPCを2階に持っていっても、ノートPCは1階の無線LANルーターの接続先(SSID)につながったままだ。
たとえ1階の無線LANルーターと距離が離れて電波が弱くなっても(通信速度が低下しても)、自動的に2階の無線LAN中継器に接続することはない。このような場合、ユーザーが部屋を移動した際に、より近い無線LANルーターまたは無線LAN中継器の接続先(SSID)に接続し直さなければならない。
この面倒な手間を解消したのがネットギアの「Orbiトライバンド・ホームWiFiシステム」。本製品はOrbiルーターとOrbiサテライトの2端末で構成されており、Orbiルーターをモデムやゲートウェイと接続し、Orbiサテライトを離れた場所に設置する。つまりOrbiサテライトは無線LAN中継器のような役割を果たすわけだ。このふたつの端末を組み合わせることで、最大で371平方メートル(約112坪)のフロアをカバー可能となっている。
同梱物一覧。左上から、Orbiルーター、Orbiサテライト、LANケーブル、電源アダプター×2、小冊子(クイックスタートガイドなど)
本体前面。真正面から見ると、OrbiルーターとOrbiサテライトの区別はつかない。まるで白物家電のような瀟洒なデザインだ
本体背面。左がOrbiルーター、右がOrbiサテライト。Orbiルーターにのみ、モデムやホームゲートウェイに接続するための「Internet端子」が用意されている
「Orbiトライバンド・ホームWiFiシステム」は名前の通り、1733 Mbps(5GHz帯)、866 Mbps(5GHz帯)、400Mbps(2.4GHz帯)の3つの周波数帯で同時に通信可能なネットワークシステムだ。OrbiルーターとOrbiサテライトの間は1733 Mbps(5GHz帯)で通信を行うので、OrbiルーターだけでなくOrbiサテライトのカバーする範囲でも高速なWi-Fi通信を利用できる。メーカーによれば、無線LANルーターと無線LAN中継器を組み合わせた場合と比較して、約2倍の通信速度を実現しているとのことだ。
また、OrbiルーターとOrbiサテライトは同じSSIDとパスワードが使われている。そのため、ユーザーはOrbiルーターとOrbiサテライトのどちらが近いのか、どちらの電波状況がよいのか、どちらの通信速度が速いのかなどをまったく意識することなく、ひとつの接続先(SSID)を登録するだけで利用可能だ。部屋を移動した場合にも接続先の切り替えは自動的に行なわれる。
本製品のセットアップは実にカンタンだ。Orbiルーターをモデムやゲートウェイと接続したのちに、Orbiサテライトを離れた場所(家の中心や2階など)に設置し、それぞれ電源を入れる。その後、ノートPCなどからOrbiルーターに無線LAN接続して、「http://orblogin.com」にアクセスすれば、あとは画面の指示に従うだけでセットアップは完了する。
まずはOrbiルーターを設置する。たとえば「フレッツ 光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ」であれば、ホームゲートウェイのEthernet端子と、OrbiルーターのInternet端子を付属のLANケーブルで接続すればOKだ
次にOrbiサテライトを設置する。こちらはACアダプターを接続し、電源を入れるだけでいい
あとは、ノートPCなどからOrbiルーターに無線LAN接続して、「http://orblogin.com」にアクセスして画面の指示に従うだけ。管理者IDとパスワードの設定画面以外は、基本的に「次へ」をクリックするだけでセットアップは完了する
Orbiサテライトはセットアップ中に自動的に検出される。特に本体を操作する必要はない
さて、本製品を導入するとどのくらい通信速度が改善されるだろうか? 今回は筆者の自宅で、1階に設置しているアップルの「AirMac Time Capsule」と2階から無線LAN接続した場合と、1階にOrbiルーター、2階にOrbiサテライトを設置して同じく2階から無線LAN接続した場合で通信速度の差を計測してみた。
通信速度を計測するにあたってはインターネット回線に影響を受けないように、ネットワークスループット計測ツール「iPerf3.1.3」を使って、1階のホームゲートウェイに接続したPCと、無線LAN接続しているPCとの間の通信速度を計測している。下記がその結果だ。
AirMac Time Capsule | Orbiトライバンド・ホームWiFiシステム | |
---|---|---|
1回目 | 265 | 288 |
2回目 | 254 | 277 |
3回目 | 256 | 291 |
平均 | 258 | 285 |
AirMac Time Capsuleとクライアント(PC)間との最大通信速度は1300Mbps、Orbiサテライトとクライアント(PC)間との最大通信速度は866Mbpsだが、実際の通信速度は3回の平均値で後者のほうが27Mbps上回っている。今回は1階と2階の間で計測を実施したが、1階と3階などもっと距離が離れていれば、両者の差はさらに開くはずだ。
「Orbiトライバンド・ホームWiFiシステム」を導入すれば、遠く離れた無線LANルーターに接続したままなのに気づかず、クラウドサービスが遅々として進まない、ビデオ通話がコマ落ちしてまともに会話できないなどのストレスから解放される。
価格はルーターとサテライトがセットになったタイプで4万5000円前後と一般的な無線LANルーターより高めだが、無線LAN中継器を別途購入する必要がないこと、無線LANルーターと無線LAN中継器の組み合わせるよりも導入や管理が簡易なこと、そして実効通信速度が速いことを考慮すれば、十分投資に見合うだけの価値があると言えるはずだ。
EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。
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