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2018/02/20

働き方改革のキーワード - 第8回

生産性革命の鍵は心理的安全性!? グーグルが発見した意外な正解



時短やチームワークだけでは生産性は高まらない

2018年は生産性革命がキーワード。先進国としては低いレベルに留まっている日本の労働生産性を上げるべく、政府はさまざまな施策を打つ計画だ。労働効率を上げる際に重要なのが職場のコミュニケーション。グーグルでの数年にわたる調査で判明した「生産性の高いチームに共通する要素」とは意外なものだった。

文/まつもとあつし


国が掲げる「生産性革命」とは?

 安倍内閣が、「働き方改革」に続いて打ち出した新しい政策の柱の1つが「生産性革命」です。国会での審議はこれからとなりますが、原案のポイントは以下の様なものです。

  • 2020年までを生産性革命の集中投資期間と位置づけ、税制・予算・規制改革を総合的に実施。
  • 賃上げや設備投資に積極的な企業の法人税負担を軽減。具体的には、3%以上賃上げを行った企業には減税額を増やし、IoTなどの設備投資を行った企業に対しては、その費用の一部を控除する。法人税率は20%前半まで引き下げる。
  • 規制を期間を定めて停止するサンドボックス制度の創設
  • これらの政策パッケージにより、20年度までに国内設備投資を16年度比で10%増、18年度以降3%の賃上げを実現し、労働生産性の年2%向上を目指す。

 このように数値目標が設定されることになる「労働生産性」。本連載でも以前触れているように、単純比較はできないものの先進国の中でも日本の生産性は低いレベルに留まっているということが指摘されています。

 企業の労働生産性は、労働によって生まれた成果を、労働投入量(従業員数または時間あたりの労働量)によって割って求められます。働き方改革は、この分母である労働投入量の効率化・最適化を図る――具体的には長時間労働の削減によって、向上していこうという取り組みでもあったわけです。

 ところが、このことが「働き方改革」による「時短ハラスメント」を生んだのではないか、という指摘もあります。「働く時間を短くする」ということにばかり焦点があたった結果、とにかく短時間でこれまでと同様、もしくはそれ以上の成果を上げなければならない、という風潮が生まれてしまい、「残業代が減った上に日中とにかく忙しく動かねばならなくなった」という嘆きの声も聞こえてきます。

 しかし、労働生産性を求める計算式が示すように、生産性は労働投入量という分子だけが小さくなるのではなく、労働による成果(付加価値)が大きくなれば改善していきます。国が規制緩和や設備投資に今回力を入れるのも、この分母を大きくしたい、という狙いが込められている、と言えるはずです。

スマートワークと生産性

 生産性革命を考える際、もう1つ忘れてはならない要素は、私たち働く人々のコミュニケーションです。一人一人がバラバラに、ひたすら成果を上げようとがむしゃらに働いても自ずと限界があります。組織・チームとしてコミュニケーションの効率を高め、より高い付加価値を生み出していく工夫が求められているのです。

 そういった観点からご紹介したいのが、グーグルが2012年に始めた「プロジェクトアリストテレス」という生産性を巡る調査です。これは、様々なプロジェクトをチーム単位で進めているグーグルが、生産性の高いチームに共通する要素とは何か、という観点で心理学や社会学の専門家もメンバーに加えて、数年にわたり調査を行ったものです。

生産性の高いチームに共通する要素は「心理的安全性」だという。

 この調査から見えてきたこと、それは「生産性の高いチームは、チームワークが秀でている……というわけではない」という意外な結論でした。例えば、チームで時間外も食事に行ったり、同じ趣味を持っている人が多いからといって必ずしも労働生産性が高いわけではない。また、オフィスでの活発な議論を交すチームも私語を禁止するような静かなチームのいずれもが高い生産性を上げていて、そこにパターンを見い出すことはできなかったというのです。

 では、何があれば、チームの生産性は高まるのか? それは、「心理的安全性」であるとレポートは結論付けています。これは他のメンバーに対して、気兼ねなく話ができたり、本来の自分をさらけ出すことができる、というコミュニティの状態を指す心理学用語です。

 グーグルのチームのスタイルは千差万別で、そこに生産性の優劣と紐付くパターンは見い出せなかった、しかしスタイルは違えども心理的安全性が担保されたチームは共通して生産性が高かった、というわけです。

 具体的には、チームメンバーのキャラクターに合ったリーダーシップの取り方や、個人のビジョンと組織のビジョンを共有する場を意識的に設けるといった取り組みが求められていくことになります。評価を巡る人事制度のあり方や、面談機会の設計、コミュニケーションツールの導入など、これも広い意味での投資ということになりますが、実はホワイトカラーの生産性の向上を考える上では極めて重要なポイントとなってきます。

 労働時間の削減が中心となった働き方改革の次は、生産性に着目して、どこに投資をしていくべきか、考えるべき時期がやってきたと言えるでしょう。

生産性向上に役立つソリューションをスマートワーク総研で見つけよう!

 生産性革命が掲げられる中、規制緩和や税制優遇も具体化していきます。2020年に向けて生産性を向上させることは、ますます企業の事業戦略上も重点項目となります。スマートワーク総研でも、生産性向上に役立つ各種ソリューションをこれからもご紹介していきます。

 まずは、お目当てのソリューションを簡単に見つけられるソリューションファインダーをぜひお使いください!

筆者プロフィール:まつもとあつし

スマートワーク総研所長。ITベンチャー・出版社・広告代理店・映像会社などを経て、現在は東京大学大学院情報学環博士課程に在籍。ASCII.jp・ITmedia・ダ・ヴィンチニュースなどに寄稿。著書に『知的生産の技術とセンス』(マイナビ新書/堀正岳との共著)、『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)、『コンテンツビジネス・デジタルシフト』(NTT出版)など。

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