モバイルワーク導入に必須の定番ソリューションを一気見!

注目ブース紹介その4〜DISわぁるど in 四国 たかまつ

文/飯島範久、まつもとあつし


UIで一歩先を行くアイキューブドシステムズ「CLOMO MDM」

 「DISわぁるど in 四国 たかまつ」では、スマートワークを影で支えるMDMソリューションも数多く展示されていた。その中からUIに優れる株式会社アイキューブドシステムズの「CLOMO MDM」を紹介しよう。

アイキューブドシステムズのブース。営業本部 パートナーアライアンス営業部部長の大野泰弘氏にCLOMO MDMの特徴を伺った。

 CLOMO MDMは、クラウド型のスマートデバイスの管理・活用プラットフォームとして構成されており、特別なサーバやハードウェアを必要とせず、ニーズに応じたサービスをユーザーが選択できるようになっているのが特徴だ。

 また、そのカバーする範囲は広い。MDMの中核をなすリモートでの端末管理はもちろんのこと、MAM(Mobile Application Management)やi-Filterと連動したサイトアクセス管理、ウイルス対策まで、およそスマートワークにおけるモバイルデバイス導入で必要とされるものは網羅されている。対応するプラットフォームも、Android、iOS、Windows 10をカバーしている。

 CLOMO MDMを特徴付けるのが、ユーザビリティに優れた管理画面だ。3ペインに整理されており、あちこちに画面が遷移してしまい、何をどこまで作業していたか分からなくなる、といったことが起こりにくくなっている。

 MDM・MCM・MAMをクラウドで提供するカバー範囲の広さと使いやすいUIによって、CLOMO MDMは5年連続シェアNo.1を誇る。会場でも広く注目を集めていた。

管理パネルの利用イメージ。

タブレットが即席POSに早変わり! シンクライアント化ThinkPadも

 レノボ・ジャパン株式会社がプラットフォームゾーンにて展示していたのは、USBシンクライアント「Resalio Lynx」。PCのUSBポートに接続して再起動すると、そのPCをシンクライアント端末として利用できる。VDI環境でオフィスと同等の業務が可能になるため、外出先や自宅といったオフィス外の環境でも業務を継続可能だ。

レノボ・ジャパン株式会社は、「ワークスタイル変革」を前面に押し出したブースを展開。

 外部からのデータ改竄にも強く、万が一USB端末を盗難されてもハードウェア暗号化(AES256bit)された内部データの読み込みは困難で、セキュリティ対策も万全だという。同社によれば「コストを抑えてシンクライアント環境を整えたいユーザーに最適」とのことで、ワークスタイルの変革を促進する製品として注目されていた。

 また、同社のタブレット製品にドッキングしてPOS化する「InVue CT300」も展示されていた。盗難防止機能が搭載されたスタンドにタブレットを固定してPOSとして運用できるうえ、スタンドから取り外してハンディPOSとして運用することも可能。

 タブレットを店舗の臨時POSとして活用できるほか、キオスク端末としても利用できる。さらに「レストランの多言語メニュー端末や、指紋登録端末、クーポン発行端末、ホテルチェックイン端末としても活用可能」(同社)ということで、タブレット端末を各種販促ツールとして活用できる可能性を示していた。

 ほかにもスマートデバイスを業務利用する際に欠かせないEMM(エンタープライズモビリティ管理)ソリューション「SOTI」、ThinkPadシリーズをシンクライアント端末化した「ThinBoot ZERO」なども展示されており、多くの来場者で賑わっていた。

展示されていたタブレットPOS化アダプター「InVue CT300」。

Office 365アドオンアプリの定番が一堂に!

 株式会社ネクストセットは、モバイル・クラウドゾーンにてマイクロソフト「Office 365」のアドオンアプリを展示。

 同社は、ユーザーのパスワードポリシーを強化しながらサインオンを簡易化する「シングルサインオン」、Office 365 マイクロソフト賞を受賞した承認・決済、印鑑捺印機能などを搭載する「組織ワークフロー」、組織内でスケジュールを共有できる「組織カレンダー」、SFA機能や名刺・顧客管理を有する「クラウドCRM」、社内ドキュメントを管理・共有できる「組織ドキュメント管理」、社内で情報を共有する「掲示板/回覧板」、出退勤を管理する「タイムカード」など、数多くのアドオンアプリを提供している。

 普及が進むOffice 365をより活用できるツールとして、また会場ではマイクロソフトブース直近での展示だったこともあり、来場者の注目を浴びていた。

株式会社ネクストセットのブースの模様。

Office 365 マイクロソフト賞に輝いた「組織ワークフロー」をはじめ10種類以上のアドオンアプリを提供。

ドローン視点で操作できるヘッドマウントディスプレイ「AiR Scouter」

 ブラザー販売株式会社は、ヘッドマウントディスプレイ「AiRScouter(エアスカウター) WD-200A」を展示。

 HDMIをメインにしたコントロールボックスに各種映像機器を接続し、その映像をヘッドマウントディスプレイで確認しながら作業できる。

ブラザー販売のブース風景。

 担当者によれば「通常はコントローラーに据え付けられたスマホやタブレットの映像を見ながらドローンを操作するが、手元を見るために視線を外した一瞬でドローン本体を見失うことがある」とのこと。しかし、AiRScouterを装着すればドローン搭載カメラの映像を視認しつつ、ドローン本体から目を離さずに操作可能になるという。会期中には、同製品を使用してのドローン操作デモも実施されていた。

 ほかに、業務用カメラや測定機器のビューファインダーとして、組み立て作業支援や遠隔操作支援の情報共有デバイスとしての用途も想定されているという。

AiRScouter装着者は、視線を逸らすことなくドローン操作が可能となる。

電子黒板に革命を起こす! サカワの「ワイード」

 教育機関を中心に企業でも導入が広がりつつある電子黒板市場。最近はホワイトボードにプロジェクターでパソコンの画面を投影するタイプが主流。資料を投影しつつホワイトボードも活用できるため、授業や会議などを効率よく進行できるのが特徴だ。

サカワは元々、漆技術を活かして黒板を製造販売する会社として創業。今年で創業97年を迎える。

 横長黒板が利用されている学校のような場所に対しては、投影エリアを変えられるよう、プロジェクターにレールを付けて物理的に移動させる製品も登場している。投影エリアと、文字を書くエリアを自由に使い分けられるが、ホワイトボードの設置と合わせてかなり大掛かりになるため、導入のハードルが高かった。

 そんな電子黒板の市場に革命が起きた。愛媛県に本社を置く株式会社サカワが7月に発売したウルトラワイド超単焦点プロジェクター「ワイード」がそれだ。

ワイードは壁掛けのほか、通常の卓上型としても利用できる。

 一般的な黒板のサイズ3.6mいっぱいに投影できる16:6というアスペクト比を用意(従来の16:9や4:3も投影可能)。リモコンで投影位置を指定することも可能だ。レーザー光源を利用したDLP方式のため、電源を入れればすぐに利用開始でき、また電源オフ後の冷却時間も不要。輝度劣化も少なく長期間の稼働が期待できる。

 投影された画面では、付属のIRペンを使ったタッチ操作も可能。パソコンに向かわなくてもスムーズに授業を進行できる。本体は、壁掛けだけでなく卓上型としても利用でき、壁(黒板)から58.6cmの距離で140インチサイズの画面を投影可能だ。サカワでは、投影に適した“青みがかった黒板”も開発。これまで培ってきた技術も活かし、より使いやすい電子黒板のあり方を提案していくという。

単焦点なので、影が気にならないのもメリット。IRペンでPC画面の操作もできる。