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2019/02/06

今読むべき本はコレだ! おすすめビジネスブックレビュー - 第8回

あなただけのプチ働き方改革を明日から始める方法が一冊に


『仕事がサクサク終わって早く帰れる 自働大全 驚きのスマホ&PC活用法で〈自分働き方改革〉』戸田覚 著

働き方改革は自分でも始められる。PCとスマホ、そしてちょっとしたアイデアを駆使して10分単位の時短を積み重ねれば、お仕着せのノー残業デーよりも効率的に残業時間を減らせるのだ。この本にはその「ちょっとしたアイデア」が一冊にまとまっている。

文/成田全


「自働=ジバラ」についての最新ノウハウが満載

 2018年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で、働き方改革に関連する「高プロ(高度プロフェッショナル制度)」と「時短ハラスメント(ジタハラ)」がノミネートされた。「働き方改革関連法案」が成立し、日本の労働環境や働き方は大きな転換点を迎えたが、「高プロ」「ジタハラ」が選ばれたということは、働きやすさを実感できている人がまだ少数派ということなのだろう。

 そこで今回ご紹介したいのは、ビジネス書作家、IT評論家の戸田覚さんの著書『仕事がサクサク終わって早く帰れる 自働大全 驚きのスマホ&PC活用法で〈自分働き方改革〉』だ。スマートワーク総研で連載中の「戸田覚の週刊『ジバラ』―自分働き方改革のススメ」でも、IT技術やスマートフォン、パソコンなどを活用した時短や仕事の効率化の様々なヒントやアイデアが紹介されているが、本書も働く人ひとりひとりが取り組める効率化である「自働」(この場合の自働は「じどう」ではなく「ジバラ」と読む)についての、最新のノウハウが詰まった一冊になっている。

会社も上司も教えてくれない「効率化」は自分で探せ!

 戸田さんは週刊『ジバラ』」の第1回で、「なぜ、企業や政治の取り組みだけでは不十分なのか?」と題し、歴史上働き方が変わるのはひとえにビジネスのトレンドの変化によるものであり、政治の力ではないこと、そして会社の規模や取り組み方などによっては働き方改革の推進が難しい場合もある、と指摘している。それを踏まえた上で、「現実的に私たちが自分で取り組めるのは、ちょっとした働き方改革だけなのだ。だが、細かなことだからといってバカにしてはいけない。5分、10分の効率化を積み重ねることで、週に数時間、月間で数十時間の効率化につながる」と、会社の方針を待っているのではなく、個人が率先して日々の仕事や業務での無駄を省くことの重要性を説いている。

 『自働大全』のまえがきでは、「現実を見れば、多くの上司はさらなる効率化に関し、抽象論か精神論しか言わない/言えないもの。『残業するな』と言われれば、勤務時間内で仕事を終わらせられるように、自分で効率を上げる〈自己防衛〉をせざるをえないのが現実だ」「どうやって効率化すればよいのかは、会社も上司も教えてくれないのが、多くの会社員にとっての現状と言える」とある。現場で働く人、そして経営陣と現場の板挟みになっている中間管理職の方が本書を読めば、「これが知りたかった!」「こうしたらいいのか!」という共感の声が上がるであろう、「大全」にふさわしい充実の内容となっている。

 毎日頻繁に行う作業をテクノロジーによって効率化し、失敗を繰り返さないために自分なりに工夫して精度を高め、合理的に突き詰めていく……これが「ジバラ」の肝なのだ。

15時のアポ、何時に到着したらジバラ的?

 本書は「時短編」「会議・打ち合わせの効率化編」など10項目の「ジバラ度Check」があり、ビジネスの様々なシーンでの出来事を設問とし、3つの選択肢から普段行っている仕事のやり方を選ぶことで、自分のジバラ度(効率的に働いているのか、それとも無駄が多いのか)を計測できる構成になっている。そして各選択肢についての詳細な解説、どういったテクノロジーを駆使するとより効率的に仕事が捗るのかが懇切丁寧に提示され、すぐに日常業務へ取り入れられるような仕組みになっている。

 では本書からひとつご紹介しよう。

問:外出先から顧客を訪問することになった。15時アポだが、自分の予定をどう組む?


A:なるべく15時ちょうどに到着できるように、乗り換えアプリを駆使する

B:15分前に到着して、遅刻しないようにする

C:40~60分前に到着して、近所のカフェで作業をする

 さてあなたはどれを選ぶだろう? この場合、ジバラ度が高いのは「C→B→A」の順となる。

 これは「出先で効率的に作業するのは誰にでも簡単に実現でき、とてもジバラ的」という理由だ。Aがリスキーなのは言うまでもない。Bは時間に余裕を持っているが、待ち合わせ場所で待つだけで15分を無駄にしてしまう。Cは待ち合わせ5分前まで近くのカフェなどで作業やアイデアを生み出す時間に充てることで、時間と心に余裕が生まれ、効率化につながる、という「逆説的発想」となるそうだ。こうしたことは一人で考えていてもなかなか思いつかないだろう。

 そもそも「自動・自働(じどう)」には「他からの力によらず、自分の力で動くこと」「機械などで、定められた操作を行うと、動作が機械自身により行われること。オートマチック」「特別な手続きなどをしなくても、効力や権利などが自然になくなったり生じたりすること」(『大辞林』より)という意味がある。一度自分で作り上げた「ジバラ」のシステムや時短のためのアイデアは、テクノロジーの進歩に合わせて日々アップデートしていけば「ジドウのジバラ」になり、それはあなたの強力な味方となる。2019年4月には「働き方改革関連法」が施行されるが、いち早く本書から意外なヒントや現実的なアイデアを得て、自分なりにアレンジを加えて、最適な効率化を目指してもらいたい。

まだまだあります! 今月おすすめのビジネスブック

次のビジネスモデル、スマートな働き方、まだ見ぬ最新技術、etc... 今月ぜひとも押さえておきたい「おすすめビジネスブック」をスマートワーク総研がピックアップ!

『できるYouTuber式 Excel 現場の教科書』(長内孝平 著/インプレス)

Excelのコンテンツを発信しているYouTuberのおさ(長内孝平)さんがビジネスの現場で学んだExcel仕事術をテキストと図解でやさしく解説。おささんは、大手総合商社の経理時代からYouTubeチャンネル「おさとエクセル」を運営し、その動画再生回数は140万回越え! 実際におささんが経理時代に駆使していた機能を紹介しているので「効率が上がった」「実務でこのスキルを多用している」などの声もたくさん。そんな人気コンテンツを1冊に凝縮した、最も現場感覚に近いExcel本です。(Amazon内容紹介より)

『おとしどころの見つけ方 世界一やさしい交渉学入門』(松浦正浩 著/クロスメディア・パブリッシング)

あなたの毎日を変える“話し合いの技術”。交渉とは、複数の人間が未来のことがらについて話し合い、協力して行動する取り決めをすることです。つまり、私たちが毎日行っている話し合いのすべてが交渉にあたるのです。この本では、交渉のプロである「交渉学・合意形成論」の専門家が、ポップなイラストとストーリーをまじえて、毎日の交渉に役立つ実用的なメソッドを紹介します。(Amazon内容紹介より)

『Googleサービスが完璧にわかる本 最新版』(メディアックスMOOK 編/メディアックス)

Googleが提供している各種サービスの使い方――Googleアカウントの登録の仕方をはじめ「Gmail」「Googleドライブ」「Googleフォト」など各種Googleサービスの使い方を紹介します。ビジネスでもプライベートでも活躍する便利な機能をこの機会にぜひマスターしてください。(Amazon内容紹介より)

『すべての企業はサービス業になる 今起きている変化に適応しブランドをアップデートする10の視点』(室井淳司 著/宣伝会議)

事業やマーケティングの中長期的な戦略を考えるには、これからの未来を予測する必要がある。しかし、巷に並ぶAIをはじめとした超未来的な話では事業との結びつきがピンとこず、テクノロジーの進化は人々を取り巻く環境や産業構造を大きく変えつつあり、未来を把握することが難しい時代になってきている。本書では、すでに世の中で起きている変化に共通するコンテクスト(文脈)を見つけることで、変化の全体像を捉え、その流れの方向を発見し、これからの企業戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略を考える上で持つべき「視点」をまとめていく。(Amazon内容紹介より)

『サイボーグ時代 ~リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略~』(吉藤オリィ 著/きずな出版)

いま、メディアでもっとも注目される「ロボット界の若き鬼才」が初めて語る人間とメカが高度に融合し、リアルとネットの境界線が消える、来るべき未来の全容とは? ガラケーからスマートフォン、そしてウェアラブル端末へ……加速し続けるテクノロジーの発展と、従来の価値観が逆転する社会では、<体が資本>の時代が終焉し、<心が資本>の時代が到来する! 分身ロボットOriHime(オリヒメ)、視線入力装置OriHime-eyeをはじめ、テクノロジーの力で人間の「できる」を拡張し続けている稀代の天才が、わかりやすいメッセージで読者をアップデートする。 (Amazon内容紹介より)

筆者プロフィール:成田全(ナリタタモツ)

1971年生まれ。大学卒業後、イベント制作、雑誌編集、漫画編集を経てフリー。インタビューや書評を中心に執筆。文学、漫画、映画、ドラマ、テレビ、芸能、お笑い、事件、自然科学、音楽、美術、地理、歴史、食、酒、社会、雑学など幅広いジャンルを横断した情報と知識を活かし、これまでに作家や芸能人、会社トップから一般人まで延べ1500人以上を取材。

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