ITの活用で働き方を変える!スマートワーク総研は、ITを活用したワークスタイルの変革を応援する法人様向けサイトです。 スマートワーク総研とは?

新規登録
MENU

スマートワーク総研

このエントリーをはてなブックマークに追加

2018/12/19

今読むべき本はコレだ! おすすめビジネスブックレビュー - 第7回

次のトレンドはクロステック――異なる技術をつなぐと世界が変わる理由


『日経テクノロジー展望2019 世界をつなぐ100の技術』日経BP社 編

日進月歩どころではない速さで進む技術革新。それは技術同士がつながることで実現しているという。本書ではクロステックをキーワードに、世界を変えていく最先端技術の概要、そしていかなる技術同士がつながって実現したものかが解説されている。

文/成田全


なぜ技術革新は加速しているのか?

 絶え間なく進歩する様を「日進月歩」と言うが、近年は技術が進歩するスピードはそれをはるかに凌駕する勢いだと言える。

 テクノロジー関連でここ数年一番話題となったのは「ビットコイン」だろう。その技術のもとになっているのは「ブロックチェーン」という技術だが、これは2008年、サトシ・ナカモトと名乗る人物が発表した論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」が発端となったものだ。ネットワーク上に情報のやり取りを分散して記録や管理(分散型台帳)をするブロックチェーンの技術は、管理されたデータの改竄が困難であるという利点を活かし、わずか10年の間に金融関係だけでなく医療や流通、建築、不動産など多くの分野で導入が検討されるなど、広がりを見せている。

 なぜこれほどまでに技術革新のスピードが加速しているのか? どうして多くの分野で技術の応用が広がっているのか? 日経BP社の技術専門記者が総力を挙げ、様々な分野での最新の技術をわかりやすくまとめた「100の技術」シリーズの最新刊である『日経テクノロジー展望2019 世界をつなぐ100の技術』を見てみることにしよう。

すべては「クロステック」にある

 本書では「はじめに『クロステックが変える』人類の未来」と題し、技術革新が加速している理由についてこう記している。

 技術と技術、分野と分野、異質な背景を持つ人と人、多くの要素をつないで新しい化学反応を引き起こす「クロステック」型の技術開発が加速していることがその背景にあるのではないか。プロ棋士に勝利するAI将棋が実は自動運転の判断技術を支え、一見すると無関係な基礎素材の進化が量子コンピューターの劇的な進化を支え、そのことが再生医療の実用化を水面下で加速させる。SNS時代の時間と空間を超えたバーチャルな関係が、クロステックの加速をもたらして、我々の生活をより豊かにするための数々の恩恵をもたらしている。我々はこう分析しています。

 この「クロステック」をキーワードに、本書は今、そしてこれから重要となるであろう100の技術を取り上げている。各項目では具体的な事例やデータを挙げて詳細に説明、どんな技術と技術が、そしてどういった業界が結びついているのかなどがコンパクトな文章でまとめられている。またパナソニック社長、資生堂社長、スラック・テクノロジーズCEO、建築家の隈研吾氏ら著名人に聞く未来への展望もあり、こちらも興味深い内容だ。

 第1章では新たなテクノロジーが都市と街をどう変えていくのかを読み解いていく。再開発や災害予測などに役立つ「都市のデジタルツイン」や「時間地図」、公共輸送を自動走行でまかなう試みである「ART(次世代都市交通システム)」や自動走行技術の進化で課題となる駐車の問題を解決する「自動バレーパーキング」、2023年までにトリリオン=1兆個のセンサーを設置しようという構想「トリリオンセンサー社会」、ICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)によって収集したデータで都市を分析する「ICTエリアマネジメント」、それらのデータを共有する試み「オープンデータ」、各種取引を効率化する「ブロックチェーン」、人を動かして街やエリアを活性化させる「リアルワールドゲーム」という「9つのキーワード」が挙げられている。

新たな技術を生み出すヒントに

 第2章ではビジネスパーソンが2019年に期待するテクノロジーランキングを掲載(2030年のテクノロジー期待度も併せて質問しているが、こちらではすべての分野で1位が同じ結果となっている。どんなことに期待が高まっているのか、ぜひ本書で確認していただきたい)。そして第3章から各分野の「クロスしていく技術」が紹介されている。これまで「関係ない」と思っていた異業種や技術などが結びつき、新たなテクノロジーを生み出している「クロステック」な現状を把握できるだろう。

 解説される各分野は以下の通りだ。

細胞技術による再生医療や、生物の仕組みを解明する合成生物学に関する「生命に対するクロス」

劇的に進化するAIとインターネットによってあらゆるものやことがつながっていく「AI/IoTによるクロス」

様々な業種や分野へますます広がりを見せている「AR/VR/デジタルアートによるクロス」

輸送や建築関係、オフィスなどの省人化を後押しする「自動運転・ロボットによるクロス」

行列待ちの時間の推定から核シェルターまで、幅広い分野を含む「安全に対するクロス」

産業用ドローンや量子コンピューターなどこれからの技術を紹介する「知っておくべき有望テクノロジー」

 本書は今現在どんな技術があるのかを把握し、何を「クロス」させたら新たな技術が生まれるのかのヒントとなり、そこからどのような事業が生み出せるのかを考えさせてくれる。しかし新しい技術という「光」が当たれば、当然「闇」も生まれるのが世の常だ。ジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』のような、人々の記憶までも管理しようとする未来にならないよう、新たな技術を生み出す人々には細心の注意を払っていただきたい。

まだまだあります! 今月おすすめのビジネスブック

次のビジネスモデル、スマートな働き方、まだ見ぬ最新技術、etc... 今月ぜひとも押さえておきたい「おすすめビジネスブック」をスマートワーク総研がピックアップ!

『EVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生』(ビル・キルデイ 著、大熊希美 訳/TAC出版)

知られざるグーグルマップ誕生物語――キーホールの立ち上げからグーグルによる買収、世界的な成功を得るまでを臨場感迫る筆致で描く。いまや、世界中の人たちの必須アプリ「グーグルマップ」の知られざる誕生物語が緊急翻訳出版! 著者は、グーグルマップの生みの親ジョン・ハンケの学生時代からの友人で同僚のビル・キルデイ。ジョン・ハンケをして、「君が書くのはぴったりだと思う。そこにいて全部見ていたのだから」とまで言わしめるビル・キルデイが、ジョン・ハンケとの出会いからKeyhole社の立ち上げ、Googleによる企業買収、そしてグーグルマップが世界的な成功を得るまでの軌跡を描く。(Amazon内容紹介より)

『テクノロジーの地政学 シリコンバレーvs中国、新時代の覇者たち』(シバタナオキ 著/日経BP社)

「ソフトウェアが世界を飲み込む」――米国の伝説的な投資家マーク・アンドリーセンが2011年に出したこの未来予測は、2018年現在、さまざまな産業で現実のものになっています。先端ソフトウェアは自動車や製造業、金融業、小売業など多くの既存産業を侵食し、ビジネスの競争原理そのものを変えてきました。本書は、その中心を担うシリコンバレーと中国のテクノロジー企業を比較・分析。拡大を続ける「ソフトウェア経済圏」の最新動向と、日本企業が乗り遅れないための戦略をまとめた一冊です。(Amazon内容紹介より)

『MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ』(日高洋祐、牧村和彦、井上岳一、井上佳三 著/日経BP社)

2030年、世界で100兆円以上に達すると予測されるモビリティサービスの超有望市場「MaaS(Mobility as a Service/マース)」。自動車メーカーだけではなく、鉄道やバス、タクシーといった公共交通、シェアリングビジネス、配車サービスをも巻き込む「『100年に一度』のゲームチェンジ」で生き残る秘策とは――。交通サービス分野のパラダイムシフトにとどまらず、MaaSで実現する近未来のまちづくり、エネルギー業界から不動産・住宅、保険、観光、小売り・コンビニまで、MaaSの「先」にある全産業のビジネス変革を読み解く、日本で初めての本格的なMaaS解説書!(Amazon内容紹介より)

『世代間ギャップに勝つ ゆとり社員&シニア人材マネジメント』(西村直哉、江波戸赳夫 著/幻冬舎)

本書ではゆとり社員とシニア人材の二つの世代について、それぞれマネジメントの要点をまとめました。カギとなるのは「ハイ&ローコンテクスト」なマネジメントです。それぞれの世代に「何を伝えるのか」「どう伝えるのか」という具体的な声かけ例は、すぐに実践できる実用的なものです。若手社員の力を伸ばしたい、シニア人材にやる気を持って仕事をするようになってほしい――そんな思いを抱えるすべての管理職の助けとなる一冊です。(Amazon内容紹介より)

『「働き方改革」の法改正で働き方がこう変わる! 変えなきゃいけない働き方のルールがよくわかる』(浅香博胡、白石多賀子、山田晴男 著/社会保険研究所)

働き方改革関連の法改正の内容をわかりやすく、コンパクトにまとめた一冊です。時間外労働の上限規制、年次有給休暇、高度プロフェッショナル制度、フレックスタイムの見直しで働き方のルールがどう変わるのか。いわゆる「同一労働同一賃金」の改正で、短時間・有期雇用労働者あるいは派遣労働者に対する待遇はどのように変えないといけないのか。「働き方改革」の専門家ともいうべき社会保険労務士3人が、法律に基づきその要点をまとめています。社会保険労務士や企業等の人事労務担当者必携。(Amazon内容紹介より)

筆者プロフィール:成田全(ナリタタモツ)

1971年生まれ。大学卒業後、イベント制作、雑誌編集、漫画編集を経てフリー。インタビューや書評を中心に執筆。文学、漫画、映画、ドラマ、テレビ、芸能、お笑い、事件、自然科学、音楽、美術、地理、歴史、食、酒、社会、雑学など幅広いジャンルを横断した情報と知識を活かし、これまでに作家や芸能人、会社トップから一般人まで延べ1500人以上を取材。

このエントリーをはてなブックマークに追加

スマ研おすすめ!!

ピックアップ

ランキング

スマ研おすすめ!!

お気に入り機能を使うには会員登録が必要です。

資料をダウンロードするには会員登録が必要です。