筆者プロフィール:狐塚淳
スマートワーク総研編集長。コンピュータ系出版社の雑誌・書籍編集長を経て、フリーランスに。インプレス等の雑誌記事を執筆しながら、キャリア系の週刊メールマガジン編集、外資ベンダーのプレスリリース作成、ホワイトペーパーやオウンドメディアなど幅広くICT系のコンテンツ作成に携わる。現在の中心テーマは、スマートワーク、AI、ロボティクス、IoT、クラウド、データセンターなど。
2020/04/10
補助金申請に必要な大量の書類を揃えるのは、かつては企業には大きな負担だった。しかし、2020年からは補助金の電子申請システム「Jグランツ」が利用可能だ。いよいよ補助金申請にもペーパーレスの波が押し寄せてきた。
文/狐塚淳
経済産業省は2019年12月24日に補助金電子申請システム「Jグランツ」を発表した。「Jグランツ」は公募の情報収集から事業完了後の手続きまでをワンストップで、オンラインで完結できるシステムだ。「Jグランツ」には国や自治体の補助事業が掲載され、24時間365日、自宅からも職場からも申請が可能なため、従来の紙による申請にかかっていた移動時間や交通費、郵送費などのコストが削減できる。また、書類への押印も不要になるなど、申請作業の手間が軽減される。
電子申請にあたっては、複数の行政サービスシステムに1つのアカウントでアクセス可能な「GビズID」(gBizIDプライム)を企業として取得することが必要で、このIDで「Jグランツ」にログインして電子申請が可能になる。
「gBizID」登録サイト
とはいえ、「GビズID」取得はオンラインでは完結できない。「GビズID」ホームページで「gBizIDプライム作成」ボタンをクリックし、申請書を作成・ダウンロードし、必要事項を記入し、印鑑証明書とともに「GビズID運用センター」に郵送する必要がある。
2週間程度の審査を経て承認されるとメールが送付されてくるので、記載されたURLをクリックしパスワードを設定することで、「GビズID」取得手続きが終了する。詳しい記入内容等については「GビズID クイックマニュアル gBizIDプライム編」を参照してほしい。
多少この手続きを面倒に感じる人もいるかも知れないが、「GビズID」による認証が可能になれば、今後申請書類に企業の情報を繰り返し記入する必要もなくなるし、押印の必要もなくなるため、トータルでは大幅な手間の削減が可能になる。
「Jグランツ」の対象となるのは、当初経済産業省の2019年度補正、2020年度当初予算の27の補助金だが、各省や自治体の補助金にも随時拡大されていき、「Jグランツ」サイトの「補助金一覧」に補助金名が随時掲載されていく。
多くの公募が開始される新年度開始以前に、ゆとりをもって「GビズID」を申し込んでおきたい。
2020年4月8日現在、「Jグランツ」サイトの補助金一覧には、各地方産業局単位のものも含めると、71件の補助金が掲載されている。
2019年度の補正予算では、政府は人工知能や5Gの導入を進め、経済成長を目指す『デジタル・ニューディール』の関連予算として9,550億円超を計上する方針で、このうち中小企業のIT化支援などに3分の1近くを充てる計画だ。特に、従来の補助金は単年支給が中心だったが、生産性向上に向けた中小・零細企業の長期的な取り組み支援のため複数年投資が必要なものに対し、約3,600億円を3年間で支出し、そのうち3,090億円を補正予算案に計上している。
今後は、従来から電子申請を進めてきた「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」も、「Jグランツ」への移行が期待される。
過去の実績では最大1,000万円で補助率2分の1の「ものづくり補助金」と、40~450万円で今年は補助率が3分の2に引き上げられた「IT導入補助金」は、中小企業のIT化支援に充当可能で、企業がペーパーレス化のために必須のIT化促進に利用可能だ。
他に複数社の連携が条件になる「ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金」はEDI(電子データ交換)などへの利用も考えられる。今回の補正予算では複数年の支援が言われているため、すでに3年間の分割給付の設計がなされている「ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金」の拡充の可能性も考えられる。
また、初期には「Jグランツ」の対象ではないが、厚生労働省の「時間外労働等改善補助金(テレワークコース)」なども、今後「Jグランツ」で利用されるようになる可能性はある。
確実に進む社会のペーパーレス化、そのための投資負担を考えるうえで、補助金申請もペーパーレス化が進展していることを意識しておきたい。
スマートワーク総研編集長。コンピュータ系出版社の雑誌・書籍編集長を経て、フリーランスに。インプレス等の雑誌記事を執筆しながら、キャリア系の週刊メールマガジン編集、外資ベンダーのプレスリリース作成、ホワイトペーパーやオウンドメディアなど幅広くICT系のコンテンツ作成に携わる。現在の中心テーマは、スマートワーク、AI、ロボティクス、IoT、クラウド、データセンターなど。
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