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GPU

GPU(Graphics Processing Unit)は、画像を描写するために必要な計算を処理する装置。例えば、3Dゲームの精密な画像をモニターに映し出すために膨大な演算処理を行う。パソコンにはもともと、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)やマザーボードにGPUが搭載されていて、グラフィック機能を担っている。ビジネス用途なら「内蔵GPU」で十分だが、オンラインゲームや動画編集、高負荷の画像処理が必要な場合は、高性能なGPUを搭載したグラフィックボードを組み込む必要がある。最近はクラウドを利用するタイプもある。

GPUとCPUは、どちらも処理装置で共通点も多いが、役割は大きく異なる。CPUは「連続的な演算処理」に長け、パソコン内の幅広い処理や計算を行う。一方、GPUは3D映像を滑らかに表示するなど「並列的な演算処理」に優れている。コアは数千個(CPUは1~十数個)あり、CPUの数倍~100倍以上の演算速度といわれおり、ディープラーニングのような膨大な繰り返し計算にも向いている。しかし、単純計算に特化しており、幅広い処理には向かない。

GPUは膨大なデータを高速処理するため、熱を発して性能が低下する。熱処理のための冷却装置が必要となり、高性能になるほど電力を大きく消費するデメリットがある。

近年では、GPUの高い処理能力を他の分野でも活用するようになり、汎用性を高めたGPUを「GPGPU」という。例えば、複雑で膨大な計算を高速で行うスーパーコンピュータに搭載され、AI(人工知能)関連の処理を支えている。交通インフラや製造・建築、医療、金融、VR(仮想現実)などでも、高性能なGPUが使われている。
(青木逸美)