直販価格3万7400円のエントリー機、コンパクトサイズが魅力

ScanSnap iX1300はPFU製ドキュメントスキャナーのエントリーモデル。もっと低価格な「ScanSnap iX100」もラインアップされていますが、こちらは片面読み取りでバッテリーを内蔵した「モバイルモデル」。両面読み込みドキュメントスキャナーとしてはScanSnap iX1300が最廉価モデルとなります。

光学解像度は600dpi、読み取り速度は「自動解像度モード」/ノーマル/ファイン/スーパーファインで両面・片面30枚/分、エクセレントで両面・片面9枚/分。原稿搭載枚数は最大20枚です(Uターンスキャン利用時)。

  • ノーマル カラー/グレー150dpi、白黒300dpi相当
  • ファイン カラー/グレー200dpi、白黒400dpi相当
  • スーパーファイン カラー/グレー300dpi、白黒600dpi相当
  • エクセレント カラー/グレー600dpi、白黒1200dpi相当

インターフェイスはUSB 3.2 Gen1/USB 3.0/USB 2.0/USB 1.1(端子:Type-B)を搭載。ワイヤレス通信はWi-Fi 5(11ac)に対応。動作環境としては、Windows、macOS、iOS、iPad OS、Android、Chromebook、Fireタブレットに対応しています。

本体サイズはトレー収納時で296×114×87mm、トレー全開時で296×247×242mm。重量は2.0kg。利用時には奥行きが247mm、高さが242mmとなりますが、排紙は上側へ行うので、ほぼA4サイズのスペースで運用可能。このコンパクト設計がScanSnap iX1300のアピールポイントというわけです。

同梱品はACアダプター、電源ケーブル、USBケーブル、説明書

同梱品はACアダプター、電源ケーブル、USBケーブル、説明書

本体上には「Scan」ボタンを配置。スリープから起こすボタンとしても利用します

本体上には「Scan」ボタンを配置。スリープから起こすボタンとしても利用します

本体背面。貸出機なので製品版と一部記載が異なります

本体背面。貸出機なので製品版と一部記載が異なります

本体前面。前面下にあるのは後述するリターンスキャンで用いる給紙口

本体前面。前面下にあるのは後述するリターンスキャンで用いる給紙口

本体背面。背面下にあるのは、後述する「リターンスキャン」時に原稿を通すための口。その下にはWi-FiスイッチとWPSボタンが配置されています

本体背面。背面下にあるのは、後述する「リターンスキャン」時に原稿を通すための口。その下にはWi-FiスイッチとWPSボタンが配置されています

左側面には電源端子、USB端子、セキュリティーロックスロットがあります

左側面には電源端子、USB端子、セキュリティーロックスロットがあります

紙詰まりやローラー清掃の際には、右上のレバーを操作して内部にアクセスできます

紙詰まりやローラー清掃の際には、右上のレバーを操作して内部にアクセスできます

ACアダプターのコード長は実測120cm、電源ケーブルの長さは実測200cm。好きな場所に設置できるようにケーブルは長めです

ACアダプターのコード長は実測120cm、電源ケーブルの長さは実測200cm。好きな場所に設置できるようにケーブルは長めです

利用時には奥行きが247mm、高さが242mmとなります。上位モデルのように手前に排紙スペースは必要ありません

利用時には奥行きが247mm、高さが242mmとなります。上位モデルのように手前に排紙スペースは必要ありません

USB接続ならセットアップは容易、Wi-Fi接続もウィザードに従うだけ

ScanSnap iX1300のセットアップは非常にカンタン。製品のサポートサイトから「ScanSnap Home」をインストール&起動したあと、ACアダプターを接続したScanSnap iX1300とPCをUSBケーブルで接続するだけ。あとは、最新ファームウェアへのアップデートも含めて、「次へ」を押していくだけでインストールは完了します。

ちょっと悩むのは起動モードの設定。給紙カバーを開いてすぐにスキャンできる「クイック」と、電源が投入されてからスキャン可能となる「ノーマル」の2種類が用意されているのです。

消費電力を計測したところ、スリープ時は平均1.91W、起動時は平均4.55Wとなりました。クイックモードでのスリープ時の消費電力は、エアコンや冷蔵庫の消費電力に比べると、誤差範囲と言えるほど低いですね。個人的には毎日使うならクイック、週1~2回ぐらいのペースならノーマルを選びます。

セットアップ画面

製品サポートサイトから最新版を入手しましょう

ScanSnap Homeを起動したあと、ScanSnap iX1300とPCをUSBケーブルで接続すれば、あとは画面の指示に従うだけでOK

ScanSnap Homeを起動したあと、ScanSnap iX1300とPCをUSBケーブルで接続すれば、あとは画面の指示に従うだけでOK

起動モードには、クイックとノーマルの2種類を用意

起動モードには、クイックとノーマルの2種類を用意

左がスリープ時の消費電力で平均1.91W、右が起動時の消費電力で平均4.55W

左がスリープ時の消費電力で平均1.91W、右が起動時の消費電力で平均4.55W

セットアップの最後にWi-Fiの設定が可能。もちろんあとからWi-Fiの設定に切り替えられます

セットアップの最後にWi-Fiの設定が可能。もちろんあとからWi-Fiの設定に切り替えられます

シリーズで本機だけがUターンスキャンとリターンスキャンの2種類の方法に対応

さて、シリーズでScanSnap iX1300だけが、Uターンスキャンとリターンスキャンの2種類の読み込み方法に対応しています。Uターンスキャンはカバーを開けて上から原稿を差し込み上から排紙する方式、リターンスキャンは手前の給紙口から差し込み、そのまま手前から排紙する方式です。

簡単に両方式のメリット、デメリットをまとめてみると下記のようになります。

  • Uターンスキャン
    1. カバーを開けなければならない
    2. 最大20枚まで連続読み込み可能
    3. 本体内で紙が曲がる
  • リターンスキャン
    1. カバーを開ける必要がない
    2. 読み込みは1枚ずつ
    3. 行って戻るだけなので紙が曲がらない

原稿の枚数、原稿の種類によって2種類のスキャン方法を選べるのは便利ですよね。特に紙が曲がらないリターンスキャンは上位モデルにもぜひ搭載してほしいと思いました。サクッと名刺を1枚だけスキャンしたいときにも重宝しますよね。

原稿台伸長部が起き上がるまでカバーを開くと電源が自動的に入ります。あとは原稿をセットして「Scan」ボタンを押せば読み込みが始まります

原稿台伸長部が起き上がるまでカバーを開くと電源が自動的に入ります。あとは原稿をセットして「Scan」ボタンを押せば読み込みが始まります

スリープ時に「Scan」ボタンを押すと電源が入ります。あとは前面の給紙口に紙を差し込むと、そのままスキャンが始まります。また紙を差し込んでも自動的に電源が入るので、その後「Scan」ボタンを押して読み込みを開始するという手順でもOKです

スリープ時に「Scan」ボタンを押すと電源が入ります。あとは前面の給紙口に紙を差し込むと、そのままスキャンが始まります。また紙を差し込んでも自動的に電源が入るので、その後「Scan」ボタンを押して読み込みを開始するという手順でもOKです

リターンスキャンの際には一度後ろに紙が飛び出し、本体前面に排紙されます。折り曲げたくない原稿をスキャンする際に便利です

リターンスキャンの際には一度後ろに紙が飛び出し、本体前面に排紙されます。折り曲げたくない原稿をスキャンする際に便利です

USB接続でもWi-Fi接続でも読み込み時間はほぼ同じ

なおUSB接続とWi-Fi接続で読み込み速度に差が出るかと思いましたが、10枚読み込むのにUSB接続で23秒34、Wi-Fi接続で23秒79とほとんど差がありませんでした。というわけで設置の自由度や、クラウドサービスへ直接アップロードする利便性を考えれば、基本的にはWi-Fi接続で運用したほうが便利でしょう。

ただし、Wi-Fi接続は無線LANアクセスポイントなどの不調により、正常動作しないことがあります。あくまでも確実性を重視するなら、USB接続を選択しましょう。

10枚読み込むのにUSB接続で23秒34、Wi-Fi接続で23秒79とほとんど差がなかったです

10枚読み込むのにUSB接続で23秒34、Wi-Fi接続で23秒79とほとんど差がなかったです

搭載枚数、速度は上位機に及ばないが、小ささ重視ならScanSnap iX1300がイイ!

上位モデルの「ScanSnap iX1600」は搭載枚数が50枚、スキャンスピードが40枚/分と上回っていますが、そのかわりScanSnap iX1300は価格が安く、そしてボディー、設置面積がコンパクトという美点があります。2種類のスキャン方法を選べるのも便利。週に1、2回利用するぐらいのライトユーザーには、ScanSnap iX1300のほうがベストマッチと言えます。

著者プロフィール

ジャイアン 鈴木(じゃいあん すずき)

EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。