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2018/05/23

今読むべき本はコレだ! おすすめビジネスブックレビュー - 第1回

あなたが売るものは5年以内にサブスクリプション化するだろう



『サブスクリプション・マーケティング モノが売れない時代の顧客との関わり方』アン・H・ジャンザー・著 小巻靖子・訳

動画配信からMS Officeまでいつの間にか定期購入モデルが生活に浸透し始めている。世の中は確実にサブスクリプションへ移り変わりつつあるのだ。当然マーケティングも買い切り時代の方法論では追い付かない。「買わない顧客」を振り向かせる新たな戦略を知りたいならまず本書を読むことから始めよう。

文/成田全


サブスクリプションに対応する新しいマーケティング

 大量に生産し、大量に売るという20世紀型のビジネスモデルはすでに行き詰まり、現在はモノ消費からコト消費へとシフトしている。

 その中で最も注目すべき……否、今すぐに取り組まねばならないのが「サブスクリプション」だ。

 サブスクリプションとは「製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式」(『大辞林』より)のことだ。昔からあるものだと新聞や雑誌の定期購読、牛乳配達、貸衣装など、最近であればAmazonプライムやNetflix、Hulu、Spotify、Microsoft 365などがその代表で、取り扱うサービスの内容がまったく変わってきているのがわかるだろう。また車や自転車のシェアリング、日用品や食料品等の定期便など、従来とは比べ物にならないくらい取り扱われる品やジャンル、種類の幅も広がっている。

 石炭を燃料とした新しい動力=蒸気によって大量生産が可能になった「第一次産業革命」。そこから石油・電気へとエネルギーがシフトした「第二次産業革命」、そしてコンピュータの出現によって自動化が一気に進んだ「第三次産業革命」を経た現代の「第四次産業革命」は、多くのものがインターネットへと接続(IoT)し、AIやロボットといった機械が制御を行うなど、これまでの働き方や産業構造からの大きな転換期を迎えている。そんな中、サブスクリプションは業界を問わず急速に広まっているのだ。

 サブスクリプションに対応するには「新しいマーケティング」が必要だと指摘するのが、『サブスクリプション・マーケティング モノが売れない時代の顧客との関わり方』だ。

5年以内にすべてのものに「サブスクリプション」という選択肢が生まれる

 従来のマーケティングは「新規顧客獲得」に重点が置かれ、いかに自社製品を長く使ってもらうかは別の部署が考える問題だった。しかし顧客と長期的な関係を結び、継続的な収入を得ることが最重要課題となるサブスクリプションでは、ユーザーの「チャーン」(解約、離脱)をいかに防いで課金を継続させ、どう新しい顧客を増やしていけるか、というこれまでとまったく違うマーケティングの視点を持たねばならない。それにどう対応すべきか、戸惑っている会社、そして担当者は多いことと思う。

 なぜこれほどまでにサブスクリプションが広がっているのか? 様々なサービスを迅速に、そして手間をかけずに消費者へと届けられるスマートフォンなどのデバイスやIoT、デジタル化といったテクノロジーの進化があること、そしてモノの「所有」ではなく「利用」である「シェアリング・エコノミー」や、限りある資源を無駄にしない「持続可能な社会」の実現といった理由もある、と本書では指摘されている。

 シリコンバレーの名だたる企業とビジネスを行ってきた本書の著者ジャンザー氏は、「5年以内にすべてのものにサブスクリプションという選択肢が生まれる――そして、企業はどこもその現実に対応しなければならなくなる」と断言している。数年前には雲をつかむような話だったサブスクリプションは、もはや避けて通れない重要なミッションとなっているのだ。

 サブスクリプションの初期段階は、顧客と良好で長期的な関係を保つための「基礎固め」をする絶好の機会だという。その重要なポイントを逃さないため、新しいシステムへの移行や業務への取り組み方を、本書を参考にして大胆に変革してもらいたい。新しいチャレンジは必ず旧勢力との軋轢を生む。しかし著者が指摘するように、向こう5年以内にきちんとした選択肢をユーザーに提示できない企業は、生き残ることが難しくなる可能性が高いのだ。

3つのパートでサブスクリプション・マーケティングへの理解を深める

 本書は現在の大きなサブスクリプションの流れを説明するイントロダクションと、具体的な3つのパートに分かれている。以下、パート部分をご紹介しよう。

 PART1「サブスクリプション・シフト」では現在の状況と、サブスクリプションが今後社会にどんな影響を及ぼしていくのか、また従来のマーケティングの手法である「セールスファネル」(漏斗を通過するように、多くの見込み客が絞り込まれて成約に至るセールス形態)では限界があることなどが説明されている。

 PART2「価値育成のための戦略」では「無料お試し」のユーザーをいかに契約まで持っていけばいいのかを、新しいマーケティングの手法をもとに、どんなアプローチで取り込み、新たな価値観をどう創造して顧客を育成し、満足度を上げていけばよいのか、その戦略が解説される。

 PART3「戦略の実践」ではPART2からさらに踏み込み、顧客を育成するための組織づくり、リスクなどについての説明がある。20世紀的な「セクション主義」ではマーケティングはマーケティング部門に任せておけばよかった。しかし時代は進み、一人ひとりが顧客のニーズを把握、それをフィードバックしていかなければ、もはや会社は生き残れないのだ。

 ただ、本書には専門用語、外来語がかなり多い(それだけ「新鮮」な情報である証左だ)。内容に置いていかれないよう、知らない言葉が出てきたらその意味を頭に叩き込むかメモを取りながら読み進め、ぜひサブスクリプション・マーケティングへの理解を深めてもらいたい。

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筆者プロフィール:成田全(ナリタタモツ)

1971年生まれ。大学卒業後、イベント制作、雑誌編集、漫画編集を経てフリー。インタビューや書評を中心に執筆。文学、漫画、映画、ドラマ、テレビ、芸能、お笑い、事件、自然科学、音楽、美術、地理、歴史、食、酒、社会、雑学など幅広いジャンルを横断した情報と知識を活かし、これまでに作家や芸能人、会社トップから一般人まで延べ1500人以上を取材。

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