筆者プロフィール:ジャイアン鈴木
EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。
2019/02/15
従来の2 in 1 PCにはさまざまなスタイルで利用できるというメリットがある一方、一般的なノートPCスタイルでは膝上で安定しないという弱点がありました。独自のデタッチャブル機構を採用し、従来のノートPCと同レベルの安定性を実現したのがVAIO株式会社のニューモデル「VAIO Pro PA」です。
文/ジャイアン鈴木
「VAIO Pro PA」は本体とキーボードを取り外しできる2 in 1 PCです。分離型の2 in 1 PCというとスタンドが開閉する「キックスタンド」を採用したSurfaceシリーズがおなじみですが、キーボードカバーとキックスタンドで底面を支えるという構造上、膝上などで安定しにくいというウィークポイントがあります。
それを解決したのが今回ご紹介する「VAIO Pro PA」(法人モデル。個人向けモデルは「VAIO A12」)です。独自のデタッチャブル構造を採用することで、膝上でもクラムシェル型ノートPCとまったく変わらない安定性で利用可能です。
上がタブレット本体、下がキーボードユニット。キーボードユニット側の金属製ガイドとフックでしっかりと固定されるので、リリーススイッチをずらさないかぎりはずれてしまう心配はありません
VAIO Pro PAのために新開発された機構が「スタビライザーフラップ」。ディスプレイを開くとヒンジ下のフラップが開き、支点が後方にずれて全体を支えます。これまでの2 in 1 PCには膝上で使いにくい、角度が調整できない、キーボードユニットが重いなどの弱点がありましたが、VAIO Pro PAはこの新機構により安定性と軽量化を両立させました
左上からノートPCモード、タブレットモード、ビューモード、ビュークローズモード
これはワイヤレスキーボードモード。ワイヤレス機能搭載キーボードユニットを使えば、分割した状態でもキーボード、タッチパッド操作が可能です
本製品は目的に応じてきめ細かくカスタマイズが可能。CPUはCeleron 3965Y/Core m3-8100Y/Core i5-8200Y/Core i7-8500Y、メモリは4GB/8GB/16GB、ストレージは128GB/256GB/512GB/1TB(通常SSD/暗号化機能付きSSD/高速PCIe SSD)などが用意されています。
キーボードユニットはワイヤレス機能、セカンドバッテリーを搭載したモデルと非搭載モデルの2種類が用意され、また、指紋認証機能・顔認証機能・リアカメラ・TPMセキュリティチップ・LTE・拡張クレードル・デジタイザースタイラス・液晶保護シートの有無なども選べます。
ディスプレイは12.5型のフルHD(1,920×1,080ドット)液晶のみ。高解像度タイプは用意されていませんが、USB Type-C経由でDisplayPortを使用すれば4K(3,840×2,160ドット)で映像出力が可能です。
Windows 10 Home/Celeron 3965Y/4GBメモリ/128GB SSD(SATA)/ワイヤレス機能・セカンドバッテリー非搭載キーボードユニットという最小構成なら13万7,800円(ソニーストア価格。以下同じ)、Windows 10 Pro/Core i7-8500Y/16GBメモリ/1TB SSD(PCIe)/ワイヤレス機能・セカンドバッテリー搭載キーボードユニット/指紋認証機能/顔認証機能/リアカメラ/TPMセキュリティチップ/LTE/拡張クレードル/デジタイザースタイラス/液晶保護シートという最大構成になると39万3,800円になります。最小と最大の構成でかなり価格差があるため、用途に応じて必要な機能のみ選択しましょう。
本体天面。右下にあるのはリリーススイッチ
本体底面
本体前面(上)と本体背面(下)
右側面(上)には電源ボタン/ランプ、バッテリーオフボタン、ボリュームボタン、指紋センサー、microSIMカードスロット、USB Type-C端子(USB 3.0)、ヘッドセット対応ヘッドフォン端子、USB端子(USB3.0)、HDMI端子、VGA端子、LAN端子、充電ランプ、電源端子が、左側面(下)にはセキュリティーロックスロット、USB端子(USB 2.0)×2、SDメモリーカードスロットが用意されています
キーボード面左上にもリリーススイッチを装備。タブレット本体とキーボードユニットを分解するリリーススイッチは本体外側と内側の両方に用意されており、ディスプレイを開いている状態でも閉じている状態でも操作可能です
キーボードユニット装着時のサイズ/重量は305.5×211.9×17.0~21.0mm/1209~1223g、タブレット部のサイズ/重量は305.5×199.4×7.4mm/608~622g。ワイヤレス機能・セカンドバッテリーを搭載したキーボードユニットを採用した2 in 1 PCとしては軽量に仕上げられています
本製品最大の売りは、なんと言ってもワイヤレス機能・セカンドバッテリーを搭載したキーボードユニット。タブレット単体のバッテリー駆動時間は約7.7~8.5時間ですが、キーボードユニットと合体すれば約14.4~15時間に延長可能。また前述の通り豊富なインターフェイスも使用可能となります。キーボードのキーピッチは約19mm、キーストロークは約1.2mmが確保されておりタイピングは快適です。
また、USB Type-CはPD(Power Delivery)に対応しており、PD対応の充電器による急速充電が可能。さらに、スマホなどで使われる一般的な5Vタイプの充電器でも充電が可能で、タブレット本体のみの充電にはなりますが、出張でACアダプターを忘れたとき、ホテルに備え付けられているUSB充電器で充電ができます。
オフィスにぜひ用意しておきたい装備が「拡張クレードル」。タブレット本体を差し込むだけで、拡張クレードルに接続済みの周辺機器がまとめて利用可能となります。PDF書類に書き込みしたり、イラストを描くようなクリエイティブ系ワークにも活用するならデジタイザースタイラスもセットで購入しておきたいアイテムです。
スマートワーク総研の読者の方なら必須装備と言えるのがLTE機能。プラス1万5,000円とやや値は張りますが、自宅やオフィスだけでなくさまざまな場所でネットワークを意識せずに利用可能となります。後付けできない装備だけに優先度高めでご検討ください。
拡張クレードルがあれば、複数の周辺機器をひとつずつ接続する手間が省けます
デジタイザースタイラスは描画の速い低遅延タイプが採用されています
データ通信用SIMカードを月額1000円前後で利用できる現在、メインで使うタブレット、ノートPCであれば、意識せずにネットワークを利用できるように装着しておきたいところです。ユーザー体験がまったく変わります
ひとつだけ把握しておきたいのがパフォーマンスはそこそこということ。最上位のCore i7-8500Yを搭載していても、ベンチマーク「CINEBENCH R15.0」のCPUスコアは237 cbに留まります。Core i7-8500Yは低消費電力、低発熱を重視したプロセッサーです。動画編集などには、あまり向いていないのでご注意ください。
とは言え、新旧インターフェイスを豊富に備え、クラムシェルスタイルでも安定してタイピングできるVAIO Pro PAの使い勝手は上々。ブラウジングやオフィスアプリケーションなどを利用するならパフォーマンスも必要十分です。さまざまな場所で、いろんなスタイルでPCを活用したいというなら、VAIO Pro PAは非常に魅力的な選択肢と言えます。
最上位のCore i7-8500Yを搭載したVAIO Pro PAの「CINEBENCH R15.0」のCPUスコアは237 cb。Uプロセッサーを搭載した上位モデルの登場にも期待したいところです
EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。
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