池澤あやかのサブスク研究室-第1回

サブスク乱用で経理が涙目! 救世主となる「iKAZUCHI(雷)」って何? ダイワボウ情報システム


今回から、近年サービス提供の主流になっている「サブスクリプション(サブスク)」を提供している企業に話を聞いてみる連載がスタートします。クラウドサービスを中心に広がっているサブスクは、これからのビジネスを支える礎となることは間違いありません。そんなサブスクを本サイトのアンバサダーである池澤あやかさんが取材していきます。


B to CだけでなくB to Bでもサブスクの時代に

みなさん、「サブスク」という言葉をご存知でしょうか。サブスクリプション(subscription)の略称で、意味としては雑誌などの「年間購読」とか「会費」とかになります。個人ではNetflixやAmazonプライムといった動画配信サービスを利用している人も多いかと思いますが、ビジネスの世界でもこのサブスクの考え方が浸透しつつあり、今後「新しい働き方」を考えていく上で必要不可欠なサービスの利用方法になります。

本連載はそんなビジネスにおけるサブスクサービスを探訪して皆様にお伝えしていきます。取材をするのは、本サイトのアンバサダーである池澤あやかさん。まずは、本連載のコーナータイトルを池澤さんに決めていだきました。今回は取材して話を聞きに行くという感じなので「池澤あやかのサブスク研究室」に決定。今後、サブスクサービスを提供している企業へ、池澤あやかさんが伺っていきます!

池澤「B to Bなので「サブスクしようよ」って自分事ですし「サブスク指南」というと、私がめっちゃ詳しい感じになりますし(笑)。「勉強させてもらいます」というニュアンスで研究室のほうがいいですね」

第1回はサブスクを一手に管理する「iKAZUCHI(雷)」

記念すべき第1回目は、サブスクサービスを一元管理できる、ダイワボウ情報システム株式会社(以下 DIS)の会員制ポータルサイト「iKAZUCHI(雷)」です。2016年からサービスを開始しているiKAZUCHI(雷)ですが、なぜこのサービスが誕生したのか、ビジネス界におけるサブスクの現状と課題について伺いました。お話していただいたのは、DIS販売推進本部 販売推進3部 サブスクリプション推進グループのマネージャー塚本小都さんです。

池澤あやかさん。ソフトウェアエンジニア、ときどきタレント。テクノロジーとガジェットとカレーが好き。本サイトのアンバサダーも務めています

池澤あやかさん(以下池澤) 「サブスクサービスに関わる「iKAZUCHI(雷)」って、どのようなサービスなんでしょう」

塚本さん(以下塚本) 「まずは日本の企業におけるITの現状についてお話しましょう。近年は少子高齢化とあいまって、IT人材は需要が増加する一方でどんどん減少していきます。特に日本ではこれを解決するためにAI、bot、さらにクラウドサービスを活用することが推進されています。

また、コロナ禍でテレワークを導入した企業は増えましたが、テレワーク環境が満足できるレベルかというと、そういうわけではありません。社員の勤怠管理やセキュリティ対策、さらにこれまで紙ベースだった事務処理の電子化など、より一層新たな課題に対してクラウドサービスを組み合わせてサーバなどの社内のITインフラを増やさずITエンジニアの負担をなるべくかけずに解決していく必要が急速に高まりました。

そうしたクラウドサービスは継続利用が前提となるため、必ずサブスクになります。従来のパッケージ型の製品なら、メーカー側は生産してユーザーへ販売したら、あとは好きに使ってくださいという形で、メーカー側はアフターサポート以外、コストは掛かりませんでした。ところが、クラウドサービスというのは提供が始まった後も、機能アップや最新OSへの対応など、サービスを維持するためにコストがかかります。そのため、購入時のみの支払いではなく、少しずつ、ずっとユーザーに支払ってもらう、つまりサブスク化しないと成り立たなくなってしまいます」

お話を伺ったDISのサブスクリプション推進グループの塚本小都マネージャー

池澤 「クラウドサービスによるサブスク化は、個人の世界ではもう当たり前のようになっていますよね」

塚本 「そうですね。ビジネスも同様です。そこで私たちDISは、サブスク化したさまざまなサービス(商品)を販売・管理するポータルサイト『iKAZUCHI(雷)』をスタートさせました。エンドユーザーにとって複数のサブスクを契約すると、どのサービスがいつから何人分支払いが必要で、追加や終了する際どうすればいいのかなど、サービスごとに契約方法も解約方法も異なるため、維持管理作業が複雑化していきます。一方で売る側にしても、多種多様のサブスクサービスの契約を管理する必要があるので、エンドユーザーごとの管理が大変になってきたのです。個人でさえ、今どんなサービスをいつから、いくら払っているかなんて、全てをしっかり管理できている人は少ないんじゃないでしょうか?」

池澤 「私もぜんぜん追えていないですね。なんとなく契約しているものもあるし、いつからというのも覚えていない(笑)」

塚本 「それを解決しようとしたのがiKAZUCHI(雷)です。基本的には販売店向けのプラットフォームですが、今どのユーザーがどんなサービスとどのような契約しているのかが、一元管理できるようになっています」

池澤 「販売店というのは? サブスクサービスを利用する企業がiKAZUCHI(雷)を利用するわけではないのですか?」

塚本 「私たちDISは、様々なIT商品・ITサービスを国内のあらゆる企業に提供するディストリビューターであることが使命です。国内外にあるたくさんのベンダーから商品・サービスを調達して販売店の皆様の力をお借りしてそれを実現しています。iKAZUCHI(雷)を構築提供するのはDIS。そのiKAZUCHI(雷)を活用してサービスを販売するのが販売店様となるわけです。

これまで、販売店様も今までは、なにか商品がほしいと言われたら注文書をもらって、商品と請求書を渡して終了でした。ところがサブスクだと、一度契約を開始したら、請求だけは毎月発生します。更に、新入社員用に契約を増やしたり、退職者が出たので減らしたりということをエンドユーザー側から要望されるわけです。サブスクを取り扱う上でその管理は大変なので、DISはiKAZUCHI(雷)という多くの販売店様・エンドユーザー様にご利用いただけるサブスク契約管理システムを構築し提供しています」

iKAZUCHIの販売店様が利用するデモ画面。「ユーザー登録や売るサブスクサービスを指定するなどの管理ができます」

塚本 「販売店様は登録したエンドユーザーへ、利用するサービス、人数、開始日を指定すると、自動的にDIS側へ発注となり、利用開始日にユーザーあてにIDとパスワードが発行されて使えるようになります。こうした情報がすべて蓄積されるので、注文書と請求書という概念ではなく、契約書がiKAZUCHI(雷)に登録されたようになるわけです。

また、エンドユーザー側が見るための画面もご用意しています。契約したサブスクリプションサービスは、iKAZUCHI(雷)で確認できますので、どのサービスをいつから何人分使っているかが見えるようになります。利用しているサービスの増減も、販売店様へ直接伝えなくても画面から行えるようになっています」

池澤 「ユーザーが画面から発注できるとなると、販売店は介さないことになるのでしょうか?」

塚本 「いえ、解約や数量の変更があると、販売店様に情報が送られ、承認頂く事になっています。信用状況含めご注文を受けるかどうかは販売店様のご判断領域ですので、私たちはそれをご支援できる仕組みをiKAZUCHI(雷)でご提供している形です。最近では、毎月お金を回収すること自体も大変なため、お金の回収を代行するサービスも行っています。これにより販売店様は、さらなるサブスクビジネスを活性化いただけるのでは、と考えています」

池澤 「なるほど。取り扱っているサブスクサービスってどのくらいあるんですか?」

iKAZUCHI.bizの画面。この画面を見ながら販売店とサービスの選択もできます

塚本 「iKAZUCHI.bizというサイトで、取り扱っているサービスの一覧が見られますが、マイクロソフトやAmazonのAWS、アドビなど約120のサブスクサービスを扱っております。2月から『Google Workspace』も取り扱い開始しましたのでマイクロソフト、Google、Amazonという3大クラウドサービスをご利用いただけます」

池澤 「AWSってプランがめっちゃありますけど、あのプランも管理できるんですか? 」

塚本 「AWSは箱だけを買う仕組みになっています。サーバを立てたりバックアップとして使ったりすると従量課金でどんどん利用料が上がっていきますが、AWS様からDISへは従量課金の請求が来ます。それを請求させていただく形です。ほかのサービスもまとめて一括請求しますので、各メーカーへ別々に支払う必要がないのがiKAZUCHI(雷)のメリットの1つです」

池澤 「なるほど、さまざまなサブスクサービスを一括で支払えるのはかなり便利ですね」

塚本 「しかも、契約しているサブスクサービスが全部まとまって見られるので、増減や解約もしやすくコスト管理がとてもカンタンになります」

池澤 「確かに! 今月こそ解約しようと思っていても、契約更新日を忘れていてもう1ヶ月、1年続けなければならない、ということってよくありますもんね。私もドメインネームサービスを利用していたときめちゃくちゃ辛かった(笑)」

塚本 「解約したいときも、画面から解約日を指定すれば、その日に自動的に解約できます。サブスクサービスごとに契約をしていると、メーカーによってルールも解約のしかたもバラバラなため、解約自体、非常に面倒なんです」

池澤 「最悪です。それだけでもメリットがあります」

塚本 「いずれにせよ、ユーザーにしても販売店にしても、サブスクサービスをどれだけ利用・販売しているか把握する必要があるわけですが、iKAZUCHI(雷)ができる前はエクセルで管理している人が結構いたんです」

池澤 「エクセルでってすごい! 」

塚本 「展示会では経理担当がエクセルで管理して疲弊していて、iKAZUCHI(雷)について聞きたいという人がよくいらっしゃいます。たとえば社員が100人いて、1人が複数本使って、契約時期がずれていて、入社や退職とかからんでくると、それはもうエクセルでは絶対無理です。しかも、管理していた人が退職や人事異動になると、誰が資産情報を持っているのかということにもなります。人に預からせてはだめなんです」

池澤 「人間のやる仕事ではないですよね。コンシューマー向けにもサービス展開してほしいくらいです」

塚本 「実は日本国内はもちろん、世界的に見ても、こうしたサービスは他に例がないんですね。DISは、これまでも企業に対してたくさんの ITサービスを販売してきたので、そうした多くのメーカーさんとのお付き合いがあったからこそ実現できたといっても過言ではありません。現在、取り扱うサービスもどんどん増やしていく計画で、今年度は30社ぐらい増やそうと考えています」

池澤 「メーカー側からすると、どうしたらiKAZUCHI(雷)と連携できるんですか?」

塚本 「メーカーさんがサービスを発行、管理するサーバとうちのiKAZUCHI(雷)とをAPIを介してシステム的につなぐことで連携しています」

池澤 「メーカーはAPIにつなぎこむために開発する必要があるということですか?」

塚本 「そのとおりですね。ただ、どうしても難しいというケースもあるので、そうした場合は、従来どおりの発注のしかたでやらせていただきます。契約数がそこまで多くない場合だと、人が作業したほうが効率的になることもあります。もちろん、理想はシステムでつながり、人が介さなくて済むようにすることは重要です。そうすれば、日付を指定すると勝手にメーカーさんの発行サーバをキックしに行くので、自動的に利用開始・終了ができるわけです」

池澤 「iKAZUCHI(雷)側は柔軟に対応しているのですね」

塚本 「そうですね。そのため、自動か人力かの違いでメーカーごとに期日を指定できる、できないがあります。さきほど解約の話が出ましたが、iKAZUCHI(雷)で契約したサービスの更新継続率は99%以上なんです。数量の増減はあるものの、使い始めていただくとそうそう辞めないのが現状ですね」

池澤 「意外と使い続けるんですね」

塚本 「サブスクのいいところって、1ヶ月だけ契約してすぐ辞めることができるところなんです。試しに使ってみたり、期間限定プロジェクト用に契約したり、場合によっては1ヶ月無料体験もできたりするので、コストを掛けずに本格導入を検討できたりします」

池澤 「今後、新しく追加したいサービスはあるんですか?」

塚本 「そうですね、我々と昔から接点の多い企業ですとやりやすいのですが、最初からクラウドで始めた新興企業は、販売店を介して行うビジネスモデルを作るのが大変なので、ほとんど直販でやられています。ただ、世の中にあまり知られていないサービスは、我々のような販売店を介したほうが、メリットはあると思うので、ぜひiKAZUCHI(雷)とつなげることも検討していただきたいですね。

あと、企業間なのでクレジット払いではなく掛売ができるというのが大きいですね。企業間取引の場合は買って使い始めても、支払いは○○日後といった信用取引ができるので、ユーザー側もサブスクを導入しやすいと思います」

iKAZUCHI(雷)の画面から、人数の増減や解約がカンタンにできます。サービスによっては開始希望日も指定できるので、確実にサービスの開始・終了が行なえます

iKAZUCHI(雷)のサービス概要を聞いて

池澤 「お話を伺って、経理さんをホント救うサービスだということを痛感しました。これがなかったら、絶対大変ですよね。最初、企業のサブスクの間に入るプラットフォームってどういうことかなと思いましたが、用途を考えるとこれがなかったら死にそうって思いました。

どんどんクラウド化されて行くと、ますます部署ごとに使い方が違ったり、期間限定プロジェクトに活用したりで、それをエクセルで管理なんて気が狂いますよ。iKAZUCHI(雷)につながるサービスがどんどん増えていけば、経理の人は涙目にならずに済むし、経費の節約にもつながるかもしれませんね」

塚本 「サブスクは、資産計上しなくていいので資産管理上も有利なんです。高いソフトを買うと資産扱いになりますが、サブスクだと光熱費と同じで資産にならないので、企業的には大きいと思います。今後はアプリに限らず、パソコンのサブスクもうまく取り入れていきたいと思っています」

今回紹介したソリューション

サブスクリプション管理ポータル

iKAZUCHI(雷)

「iKAZUCHI(雷)/いかづち」はサブスクリプション管理ポータルです。DISの販売パートナーは、「iKAZUCHI(雷)」をご利用いただくことで、多様化するサブスクリプション型のクラウドサービスの注文工数が削減され、月額や年額の継続型ストックビジネスの契約やご契約者様の一元管理が可能になります。