池澤あやかのサブスク研究室-第6回

Adobeの「Adobe Acrobat DC」と「Adobe Sign」
PDFによる電子文書のやりとりの鍵を握る


文書のやりとりで、誰もが見られるフォーマット“PDF”は、当たり前のように使われている現在。ただ、同じPDFでも“長期閲覧保証”されているのはAdobeで作成したものだけというのはご存じでしょうか? 今回は、池澤さんも驚愕としたAdobeの電子文書ソリューションに迫ります。

撮影/岡田清孝


普段何気なく利用しているPDFファイル。みなさん、どのようにしてPDF化されているでしょう? 政府が文書の電子化を推進するなか、国際標準規格化されているPDFを利用するのは、長期閲覧保証の観点からも今後ますます必須事項となるでしょう。

そんなPDFを生成するソフト「Adobe Acrobat DC」をはじめ、PDFを閲覧する「Adobe Acrobat Reader DC」、PDFを利用した電子署名ソリューション「Adobe Sign」などを擁するAdobeの文書の電子化に対する考えを、Adobeの寺尾健登さんにお話を伺いました。

取材をしたのは、エンジニアでありタレントである池澤あやかさん

そもそもPDFって何なのか?

寺尾健登さん(以下寺尾) 「PhotoshopやIllustrator, XDを始めとするクリエイティブ系のソフトがAdobeとしては有名なんですが、本日はAcrobatというPDF関連のソフトについて紹介していきたいと思います。Acrobatって使われたことはありますか?」

池澤あやか(以下池澤) 「はい、使ったことはあります。PDFの閲覧などができるソフトですよね?」

寺尾 「そうです。最近デジタル庁が発足され、それこそリモートワークが当たり前となり、文書の電子化が話題になっています。要は紙の書類があると、出社したり人と人が会わなければ契約ができないといった、いろいろな問題が生じてしまいます。そういったときに、AcrobatはPDFを見たり編集したりするというイメージがあると思いますが、それ以外にも実はいろいろとできますというお話をしようと思います」

池澤 「お願いします!」

アドビ株式会社 デジタルエクスペリエンス事業統括本部 パートナー営業本部 パートナーセールスマネージャーの寺尾健登さん

寺尾 「まず、Acrobatってそもそも何かというと、PDFを見るソフトなのですが、そのPDFって何? と聞かれたとき答えられますか?」

池澤 「文書ファイルだけど基本的には編集できないというイメージがあります」

寺尾 「そうですよね。PDFって取りあえず社外の人と文書を共有したいときにWordとかPowerPointのファイルのまま送るのは、何か失礼に当たるというイメージがあると思います。また、元のファイルをそのまま送ってしまうと、編集されてしまう可能性もあります。そのため取りあえずPDFにして送るという文化が生まれたのだと思います。でも、その『PDFって何なの?』と聞かれたときに、意外と答えられる人は少ないのではないでしょうか」

池澤 「何者だっていう感じですね」

寺尾 「ご存じかと思いますが、PDFを見るためにAcrobatを使われる方は多いのですが、実はPDFを見たり作ったりということはAcrobatを使わなくてもできます。例えばWordやExcelでも“保存”の中から選べますし、ブラウザでWebページを印刷するときに“PDFとして保存”を選択すれば、簡単にPDFで保存できます」

池澤 「確かにAcrobatを使わなくても保存だけでなく、閲覧もブラウザなどでできますよね。Acrobatを使うメリットというのを知りたいです」

寺尾 「ありがとうございます。そもそもPDFはAdobeの開発者が開発したファイル形式になっています」

池澤 「へえ、そうなんですね」

寺尾 「PDFを開くときにAcrobat Readerというソフトを利用されると思いますが、それはAdobeがもともとPDFというファイルを作って、それを見るためのビューアが必要なため、今でも無償提供で利用できる形になっています。
なぜAdobeがPDFというファイル形式を開発したのかというと、昔はmacOSとWindowsで同じファイルが閲覧できないことがよくありました。それって、めちゃくちゃ不便じゃないですか」

池澤 「とても不便です」

寺尾 「そこで、どんなOSやデバイスであっても、レイアウトやフォントが崩れたり潰れたりせず、同じように見られるファイル形式を作ろうとして生まれたのがPDFなのです。そんなPDFは、Wordからも直接マイクロソフトのエンジンを使ってPDFを作れますし、Google Chromeからも作れます。それは、2008年にAdobeがPDFを誰でも使えるファイルフォーマットにすべく、国際標準規格化したためです。標準化されることで極端な話、Adobeという会社がなくなったとしても、PDFは常に閲覧保証がされているファイル形式となりました。
逆に、皆様が普段から使われている多くのファイル形式は標準化されていません。すなわち、ファイルを提供している会社がなくなってしまったら、どこも閲覧保証ができなくなることを意味します。そのため長期保存して閲覧する場合、PDFを使っていただくことは非常に大事なことになります」

池澤 「PDFに関して、そこまで深く考えたことがありませんでした」

寺尾 「PDFは国際標準規格化(ISO32000-1)されているため、Adobe以外のソフトでも自由に作成できますが、実はPDFを作成するためのアルゴリズムはどこにも公開されていません。そのため、ほかのメーカーのソフトウェアに組み込まれているエンジンを使って作成したPDFは、もちろん見た目上はPDFなのですが、ISO32000-1に準拠していないPDFとなります。つまり、ざっくり言いますと、本物の(ISO32000-1に完全準拠した)PDFはAdobeのAcrobatしか作れないのです」

PDFは国際標準規格化されているので、準拠したファイルであれば長期閲覧が保証されています

池澤 「えぇ! それじゃあ、私は本物ではないPDFをよく作っています(笑)」

寺尾 「今ではそういう人が多いと思います。Acrobatは(ISO32000-1に完全準拠した)高品質なPDFを作れるのですが、なぜそのほうがいいのかというと、長期閲覧保証ができるところなんです。今、多くの企業が紙で保存していたものをどんどん電子化していこうという流れが加速しています。そのときに、もし完全準拠されていないPDFで電子化した場合、5年、10年、100年後に急に見られなくなったら電子化した意味がないじゃないですか」

池澤 「確かにそうですね。保存したものが見られなくなるのは大変です」

寺尾 「電子化で重要なのは、パソコン、スマートフォンなどでいつでもどこでも閲覧でき、次世代につなげられるところだと思います。PDF化したのに、見られなくなったら本末転倒なので、Acrobatを使ってPDF化しましょうと提唱しています。
また、ISO32000-1に完全準拠していないPDFは、さまざまなリスクが生じる可能性があります。例えば、Acrobat ReaderでPDFを開いたときに、レイアウトやフォントが乱れたり、そもそも開けなかったりという経験があるかもしれませんが、それは完全準拠していないPDFを見ようとしていることが原因であって、Acrobat Readerの問題ではないのです」

池澤 「そうなんですね。開けなかったことはあるかもしれません」

寺尾 「そのためAcrobatを使っていただきたい、厳密に言うとAdobeのエンジンを使って作成してほしいと申し上げているのは、決してAdobeの社員だからではなく、電子化をする目的は正しい情報をしっかりと長期閲覧保証された状態を担保するものだと思っているからなのです」

池澤 「Photoshop とかAdobeの他のソフトでも大丈夫なんですね」

寺尾 「PDFは見た目が同じようなので、どんなソフトウェアで作成しても大丈夫だろうと考えがちなのですが、さまざまな情報を持っていて、それをしっかりと担保できるのはAdobeのエンジンだけということをしっかり認識していただきたいと思っています」

池澤 「なるほど。初めて知りましたPDFの話」

PDF化したときに含まれる情報が情報漏えいの要因に!?

池澤 「PDFを見たいとき、Acrobat以外のビューアでも見られるじゃないですか。そうしたビューアも、PDFの閲覧性などに影響する気がします」

寺尾 「おっしゃるとおりでビューアは現在たくさんあります。基本的な概念としてはAdobeのエンジンを使って作られた純正PDFであれば、どのビューアを使ってもフォントが崩れるというような心配はありません。
ただ、テキストや画像以外に3Dデータや動画を埋め込んだ場合、ビューアによっては動かないことがあるかもしれません。その点、Acrobat ReaderはAdobeのエンジンで作られたPDFを完全閲覧保証していますので、PDFの3Dデータや動画、テキストデータなどを再現性高く閲覧できます。
また閲覧性以外にもさまざまな違いを生み出します。例えば、送られてきたPDFを修正したいとします。そのときに、元のPDFが高品質なものか否かで、戻すときの品質がまったく変わってしまいます。例えば、PowerPointの文書をAdobeのエンジン以外でPDF化したとします。多くの場合、PDFをPowerPointに戻した際、画像を画像として認識していなかったり、フォントが崩れた状態で変換されてしまうケースがあります。
Acrobatをはじめ、Adobeのエンジンを使って作成された高品質なPDFであれば、Excelに戻そうがPowerPointに戻そうが、表は表として認識されますし、画像は画像として認識されて、再度編集ができるようになります」

完全に準拠していないと、正しく表示されなかったり閲覧できない可能性も

池澤 「元のファイルに戻せるんですね。初めて知りました」

寺尾 「PDFがAdobe純正で作られたかものか否かは、AcrobatやAcrobat Readerで開いて、どこでもいいので右クリックします。メニューから“文書のプロパティ”を選択するとセキュリティの状態やAdobe純正なのか否かがすべて分かるようになっています。
先ほどPDFはさまざまな情報を裏で持っているという話をしましたが、これが結構怖いんです。よく企業がWeb上に組織図や決算資料などをPDFにして公開するケースがありますが、そういうファイルは誰でもダウンロードできます。ところが、作成者などのメタデータを削除せずに公開してしまっているケースがよくあるのです。
これって、企業からすると個人情報の流出にあたります。たまにメールアドレスなども載っているケースがありますが、そのような情報から個人を特定し、ウイルスを送り込み、パソコンが感染して情報漏えいするということもあります。企業の情報漏えいニュースをたまに見かけますが、その要因の1つとして考えられています」

“文書のプロパティ”から、“アプリケーション”のところを確認すると、作成したアプリを始めとするメタデータを確認することができます

池澤 「それは怖いですね」

寺尾 「また、Acrobatは“PDFを編集”というボタンを押すだけで、内容を書き換えることができます。そのため、例えば企業が公開した決算情報も、数値を書き換えられてSNSで拡散され、企業の株価に影響を与えるということも起こる可能性があります。
多くの人がPDFは基本的に編集できないものという認識があるので、編集されたPDFを拡散されると、これが正しい情報だと誤認され、企業が無駄な問い合わせに対応しなければならない事態にも陥ります。そのため、Acrobatを使ってしっかりと個人情報の削除を含めてセキュリティをかけてもらった上で公開することを心がけてほしいと思っています」

池澤 「編集できないようするということですか?」

寺尾 「そうです。Acrobatでは“ツールを検索”で“パスワード”と入力し検索すると、“暗号化”というのが出てきます。ここで“暗号化”をクリックすると、文書を開くときにパスワードが必要なのか、それとも文書を編集するときにパスワードが必要なのかが選べます。企業としては、パスワードを掛けてセキュリティをしっかりしておくことが重要です」

池澤 「たまにパスワード付きのPDFを送られてくることがあります」

寺尾 「パスワードを掛けていると、“編集”ボタンを押したときにパスワードを求められます。なので、簡単には編集できなくなります」

他のソフトで作った文書をPDF化する最適な方法とは

池澤 「逆に、こういう文書を作るときってWordやExcelとかで作成したものをPDF化しますよね。正しいPDF化の方法ってどうすればいいのでしょう」

寺尾 「これはAcrobatを契約している方のみの機能になるのですが、WordやExcelでAdobeのエンジンを使って作成いただく方法があります。例えばWordの場合、本来であれば“ファイル”メニューから“コピーを保存”で“PDF”を選択して保存されていると思います。
Adobeのエンジンを使う場合は、Acrobatがインストールされていると、Acrobatメニューが表示されます。ここをクリックすると“PDFを作成”ボタンがあるので、これを選択すれば、WordのファイルをAdobeのエンジンを使ってPDF化できます」

池澤 「正式な文書を作成公開するなら、Acrobatの契約は必須ということですね」

寺尾 「そうしていただけると。あと最近はGoogle Chromeの場合、Adobe Acrobatのエクステンションがあります。メニューから“Adobe Acrobat”を選ぶとAdobeのエンジン使ってWebページだけでなくオフィスファイルのPDF化もできます。編集機能もあるので、かなり便利な機能じゃないかなと思います」

池澤 「知りませんでした」

寺尾 「最近本格的にプロモーションをし始めたので、ご存じでない方も多いと思います。ぜひ使ってみてください」

Acrobatで活用してほしい“共有レビュー”機能

池澤 「Acrobatには、さまざまな機能があると思いますが、使ってほしいオススメな機能ってありますか?」

寺尾 「“共有レビュー”機能が便利ですね。弊社でも活用していますが、例えばチラシなどを制作していると『これレビューしてください』と依頼をかけることがあります。これが弊社の場合、コンテンツによっては100名前後の関係者に確認を取らなければいけないんです」

池澤 「えぇ! それはキツイですね」

寺尾 「単にメールに添付して100人に送ったら、バラバラに修正箇所の返答があって収拾がつかなくなります。そんなときにAcrobat上で”コメントを依頼”ボタンをクリックして見てもらいたい人にレビューを依頼することができます。すると依頼メールが届いた人がURLを開くと、レビューしてもらいたいPDFがブラウザー上で見られるようになります」

ブラウザー上で閲覧してコメントをつけられ、依頼された人全員のコメントも見られるので効率よく文書校正ができます

池澤 「これってAcrobatがインストールされていない環境でも見られるんですか?」

寺尾 「レビューする側は必要ありません。あとはここで、付箋を貼ってコメントをいれることで、修正箇所を指示できます。Acrobatの共有レビュー機能を使えば、既につけられたコメントをみんながリアルタイムで確認できるので、無駄な時間も省かれますし、レビュー作業を一元化することができます」

池澤 「確かに。たまにPDFで『何か間違いあったら指摘してください』といったメールが来ますけど、毎回PDFが添付されてきます」

寺尾 「共有レビュー機能を知らないともったいないです。期限も決められるので、是非活用していただきたい機能だと思います」

PDFの長期閲覧保証を考えればAdobe Signでの電子サインが最適

寺尾 「続いて電子サインの紹介をいたしましょう。電子サインは使われたことはあります?」

池澤 「あります。Adobe Signも使ったことがあります」

寺尾 「ありがとうございます。例えば日ごろの紙ベースの契約でも、一人がサインするだけでなく、複数人に送って順次承認するようなときもあると思います。そういったときに『電子サインってどうやって使うの?』という質問をよく受けるのですが、Adobe Signを使えば非常に簡単にできますよというお話をしたいと思います」

池澤 「そのときは、手書きでサインした記憶があります」

寺尾 「Adobe Signでの署名は、スマホやタブレッドなどの画面に手書きで行うこともできますし、文字を直接打ち込んで署名をすることもできます。ここまでPDFの概念みたいな話をしてきましたが、電子サインは100%PDFを使います。そのため、Adobe Sign以外にもいろんな電子サインのメーカーがあり、できる機能はあまり変わらないかもしれませんが、長期閲覧保証の観点からすると、PDFの生みの親であるAdobeの電子サインが良いと考えています。
契約書の場合、2年後に見られなくなりましたとか、開いたときにレイアウトが崩れていることって、いちばん起きてはまずいことじゃないですか」

池澤 「確かに、契約書を開いたら自分の名前の部分のフォントがつぶれていたことがあります」

寺尾 「それは避けなければならないですよね。Adobe Signを使っていただければ、起きることはないので、ご安心してお使いいただける最適なソリューションだと考えています。Adobe Signは、ポータルサイトの形でブラウザ上からアクセスできます。Acrobatからも使えますが、ブラウザからも使えることで、スマホやタブレットからもアクセスして署名できますし、署名依頼を行うこともできます。
使い方はすごくシンプルで、まず“送信”ボタンを押してサインしてほしい方のメールアドレスを入れます。ここに複数人登録すれば、指定した順にサインしていくようになります。
肝となるのは、“ファイルを追加”で電子化して送りたい契約書を追加するところです。ここで、PDFはもちろんWordやExcelファイルなども追加できます。意外とほかの電子サインでは、PDF以外指定できなかったりしますが、Adobe SignはPDF以外も可能で、極端な話Acrobatを持ってなくても、ここでAdobe純正のPDFにしてくれるので、長期閲覧保証の対象になります」

池澤 「Word側でPDF化しなくてもいいんですね」

Adobe Signで契約書を作成している例。Wordなどで作成した元の文書に入力してほしいフォームを指定したりファイルの添付などの指定が簡単にできます

寺尾 「そうなんです。あとは、『サインしてください』というようなメッセージを入れます。また、パスワードで保護したり、3日以内に署名してくださいとか、毎日リマインダーを送信するというような設定もできます。
最後に、ここがAdobe Signの特徴の1つですが、36カ国語に対応していて、署名のやりとりをする際に、それぞれの国の言葉で行えます。もちろん、契約書自体は翻訳されませんが、相手に届くメールや署名を行うにあたっての指示は、翻訳されて送信されます。
これってすごく大事で、留学生の受け入れや海外の人を雇うといったとき、必ずしも日本語ができるとは限りません。そういうときに言語を選択すれば、その言語に沿った形でサインが行えるので、サインする側としてもスムーズにやりとりができるようになります」

池澤 「確かに日本語しか対応していないと、海外の人にはどう操作していいか分からないかも」

寺尾 「そうなんです。ほかの電子サインの場合は、対応していても数カ国語程度です。36カ国語という対応言語の多さから、Adobe Signを選ばれる方も非常に多くなっています。送信先などの設定が終わったら、あとは契約書に対して住所や会社名、氏名などを入力する「フィールド」を設置していきます」

送る人に対してメッセージを何語に翻訳するか指定するだけでいい

池澤 「これは、その都度指定する必要があるのですか?」

寺尾 「よく使うファイルであれば、事前に設定しておくだけで、すぐに送信ができます。 もう1つ、Adobe Signでしかできないものとしては、契約書以外の別ファイルを署名時に添付してもらうことができます。例えば、身分証明として運転免許証やマイナンバーカードの写真を添付してほしい場合、ファイルを添付できるフィールドを契約書に設置しておけば、ファイルを添付したり、スマホで閲覧していれば、そのままカメラで撮影したものを添付できたりします。
作成が完了したら“送信”ボタンを押すと、先ほど入力したメールアドレスに電子サインが送信されます。届いた人はURLをクリックすると、PDF化された契約書がブラウザ上で開くので、指示に従って入力したり署名をしていただきます。もしパソコンで開いていても、“モバイルに送信”をクリックすれば、自分の電話番号を入力して送信するとSMSにURLが送られてきます。リンクを開けば、スマートフォン上から手書きで署名をすることができます」

契約書が送られてきた人は、指示に従って入力・署名を行います。必要事項すべて入力されれば「クリックして署名」が表示されるので入力漏れの心配もありません

池澤 「手書きでしたいときはスマホのほうが便利ですよね」

寺尾 「入力が完了したあとは、署名に携わった方々の元に『署名が完了しました』とメールが届きます。契約締結されたPDFをはじめ、監査レポートというどういった経路で署名までたどり着いたかなど事細かく記録されたものが届きます。監査レポートは法務部で必要な書類となります。
Adobeとしては、企業のみなさまが安心して任せていただける長期閲覧保証されたPDFと、デジタル上で契約締結が行える電子サインソリューションを提供しています」

池澤 「ありがとうございました。Acrobat Readerのことは知っていたけど、AdobeがPDFを作ったのは知らなかったので、何でAdobeがPDFのビューアなどを提供しているんだろうと思っていました(笑)。普段はPDFって文書としての機能ぐらいにしか見ていないと思いますが、セキュリティ要件を満たせることと、長期閲覧保証がされている点、PDFを正確に元のファイルに戻せる点、また昨今のハイブリッドな働き方に対応した共有レビュー機能などの点において、Acrobatを使うメリットはかなり高いと思いました。あと情報漏えいが、PDFの情報からかなり出ている可能性があるというのも衝撃でした。ちょっとためになる話であり怖かったですね(笑)」

寺尾 「プロパティからさまざまな情報が見られるというのは、意識してほしいですね。また、Adobeのソフトはいろいろできるが故に、何ができるのか分からない状態になっている人が多いと思っています。そのあたりはAdobeとしての課題だと感じているので、最近では積極的に多くのセミナーを開催していますし、今後もタメになるセミナーを定期開催していければと思っています。デジタル化の分野では、クリエイティブの部分もそうですけど、ドキュメントといったところでもリーダー的なポジションになっていければと思っています」

今回紹介したソリューション

PDFの作成、編集、注釈、署名を
どのデバイスからでも使える
PDFソリューション

Adobe Acrobat Pro DC


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